実験基準守らずに感染 WHO、拡大の恐れない

共同通信
2003/12/18

   【マニラ17日共同】台湾の研究者が新型肺炎(SARS)に感染したことについて、マニラの世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局は十七日「研究者が実験の際、WHOの出している厳しいガイドラインに従わなかったのが原因と考えられ、拡大の恐れはないとみられる」との見方を示した。

 記者会見した尾身茂(おみ・しげる)事務局長は「この研究者は白衣や手袋をせずに新型肺炎ウイルスのサンプルを処理しており、試験管外に出た飛沫(ひまつ)から感染したとみられる」と述べた。

 この研究者は国際会議出席のため、今月七?十日にシンガポールを訪問しているが、これまでのところ接触した人に発病者は出ておらず、拡大の恐れはあまりないとの見解を示した。

 また、WHOは専門家チームを早急に台湾に派遣することを決め、台湾当局に申し入れた。(共同通信)


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