SARSは旅客機内でも感染=患者に既に症候が出ていれば

AFP時事
2003/12/18

【ワシントン17日】新型肺炎の重症急性呼吸器症候群(SARS)は、症候が出ている段階の感染者が旅客機に乗った場合、他の人が感染する恐れがあるとの研究論文が18日発行の米医学誌ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスンに掲載される。タイの疾病管理予防センターの国際新感染病対策プログラムのソニア・オルセン氏の率いる研究者たちが論文をまとめた。

科学者たちは、SARSに感染した1人あるいはそれ以上の患者と同じ飛行機に乗った乗客および乗組員たちを対象に、同乗の少なくとも10日後に面接調査した。その結果、ある旅客機では119人のうち22人が感染したことが分かった。感染は患者との物理的な近さと関係があり、患者の前方3列の座席に座った23人のうち8人がSARSにかかった。症候が現れる前の感染者1人を乗せたフライトの乗客には感染者は出なかった。

この研究についてカナダ・トロントの研究者ドナルド・ロウ、アリソン・マクギア両氏は同誌の同じ号で、症候が現れていない患者から感染したケースが認められず、大半の感染ケースが病院で起きている理由を恐らく説明していると指摘した。〔AFP=時事〕


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