新型肺炎SARSは汗、尿、便を通じても人から人に感染する?――。中国・広州市の軍医大学の病理学専門家チームがこのほど、新型肺炎で唾液(だえき)の飛沫(ひまつ)以外の感染経路の可能性を発見したとして、英国の病理学専門誌に発表した。新華社電が9日伝えた。
これまで新型肺炎は、せきやくしゃみによる唾液の飛沫を通じた空気感染が主要ルートとされてきた。ただ、昨年春に香港のマンションで発生した集団感染で、患者の便に含まれたウイルスが感染源と疑われたケースもある。
新華社電によれば、専門家チームは新型肺炎で死亡した4人の体内組織を検査し、肺や気管のほか胃や小腸、汗腺、肝臓などで新型肺炎のコロナウイルスを発見した。その結果、ウイルスを含む食べ物や水とともに、軽い接触やキスでも感染する可能性があると結論付けている。
同チームは「今回の感染経路が確認されれば、感染防止のためには、マスクだけでなく手袋、ガウン、目の防護器具なども必要になってくる」と指摘している。(時事)
(2004/05/10/14:02 朝日新聞)
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