ウイルス135種類収集へ WHOに協力

共同通信
2004/1/20

 新型インフルエンザウイルスの出現に備え、北海道大の喜田宏教授らは十九日までに、新型ウイルスの基になる鳥インフルエンザウイルスのすべての型、計百三十五種類を今年三月末までに収集し、世界保健機関(WHO)のワクチン開発に協力することを決めた。

 山口県や韓国、ベトナムで鳥インフルエンザが発生。ベトナムでは死者が出るなど、鳥インフルエンザウイルスが人から人へ感染する新型ウイルスとなって世界に流行する恐れが出てきたため。

 鳥インフルエンザウイルスは、HとNの文字で現される表面タンパク質の組み合わせで型が決まる。Hは十五種類、Nは九種類あり、組み合わせによって計百三十五種類の型ができる。

 喜田教授によると、あらかじめ、それぞれの型に合ったワクチン製造の準備をしておけば、どの型の新型ウイルスが出現しても対策が可能となる。

 同教授らは、ワクチンの材料にするため、二〇〇〇年から世界各地でウイルスの収集を開始。これまでに自然界から集めた五十種類と、人工的に合成した四十七種類のウイルスを凍結保存した。残りの種類も、三月末までに保存する計画。

 喜田教授は「保存しているのはいずれも毒性が弱いウイルス株なので、ワクチン製造にすぐに使える」と話している。

  (2004/1/20 共同通信)


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