タイの鳥インフルエンザ、2人の感染確認

読売新聞WEB版
2004/1/23/23:20

 【バンコク=川辺徹】タイのスダラット保健相は23日、同国中部スパンブリ県とカンチャナブリ県に住む7歳と6歳の男児2人が、鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染していることを確認したと発表した。同国が鳥インフルエンザの発生を公式に認めたのは初めて。また、人への感染が確認されたのは、5人が死亡したベトナムに次いで2番目となる。

 タイはアジア有数の鶏肉生産・輸出国。2003年の鶏肉輸出額は約9億8600万ドル(約1052億円)で、今回の鳥インフルエンザ発症がタイ経済への打撃となるのは必至だ。

 タイでは、感染の疑いがあるとして検査を受けていた別の3人の患者のうち、同国東部チャチュンサオ県の男性が23日、死亡した。男性は高熱などを訴え、20日に入院していた。

 日本や韓国でも発生が確認された鳥インフルエンザは、東南アジアで拡大する様相を見せている。

 タイの隣国カンボジアの農林水産省報道官は23日、同国で鳥インフルエンザの発生が確認されたと述べた。国連食糧農業機関(FAO)も、ウイルス(H5N1型)の検出を確認したとしている。カンボジアでは、首都プノンペンなどで鶏が大量死したため、検体をフランスに送っていた。

 インドネシアの民放テレビが同国バリ島の州政府当局者の話として伝えたところによると、同島でも鳥インフルエンザとみられるウイルスが検出された。

(2004/1/23/23:20 読売新聞)


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