インドネシアの鶏大量死は鳥インフルエンザ

読売新聞WEB版
2004/01/25/23:00

 【ジャカルタ=黒瀬悦成】インドネシア農業省のソフヤン・スラジャット畜産局長は25日、同国で最近多数の鶏が死んでいる問題で、「原因は鳥インフルエンザだった」と明らかにした。

 政府はこれまで、これらの鶏の死因は、人間には影響のない別種の鳥伝染病「ニューカッスル病」によるものだと主張していた。政府は事態を受け、首都ジャカルタやスラバヤなどで住民を無作為抽出し、鳥インフルエンザに感染していないか血液検査を実施する方針を表明した。

 政府が設置した専門家らによる「鳥伝染病対策委員会」の委員が本紙に語ったところでは、昨年9月から今月にかけジャワ島全域やスマトラ島南部で死んだ鶏を検査したところ、とさかが青く変色したり皮膚に赤い斑点が出来るなど「鳥インフルエンザにしか見られない症状を示していた」ことが分かった。

 同委員は、「タイやベトナムと同様に人間に感染するタイプのウイルスかは不明」としながらも、「鳥インフルエンザは感染の過程で変異しやすい」と強調、人間への感染阻止に向け「政府の対応は十分でない」と批判している。

(2004/1/25/23:00 読売新聞)


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