ベトナム姉妹死亡、感染源はアヒル? WHOが本格調査

朝日新聞WEB版
2004/02/02/11:39

 ベトナムの姉妹が鳥インフルエンザ(H5N1)に感染し、「人から人への感染の可能性がある」と世界保健機関(WHO)が公表した問題で、WHOは本格的な疫学的調査に着手した。姉妹の兄が結婚式のため触ったアヒルが感染源で、ウイルスが兄にうつり、さらに姉妹にうつった可能性もあるとみている。仮に人から人にうつったとしても、猛威をふるう新型である恐れは現時点では少ないという。

 焦点になっているのは、同国北部タイビン省に住んでいた23歳と30歳の姉妹と、31歳の兄。関係者によると、姉妹の一人と兄が1月4日ごろ、知人の結婚式のためにアヒルを直接、処理した。このアヒルが感染源の可能性が高いという。

 兄は同12日に死亡。姉妹は10日ごろ、相次いで発熱などを訴え、23日に死亡した。

 姉妹の1人はアヒルに接触していないのに感染したことから、WHOは鳥インフルエンザのウイルスが家族からうつった疑いがあるとみている。

 今のところ、感染は姉妹の家族内にとどまっているが、WHOは家族外に広がっているかどうかを確認し、対策を講じる必要があると判断。ベトナム政府とともに、姉妹らの生前の行動を洗い直すとともに、地域住民の健康状態を調べる。

(2004/02/02/11:39 朝日新聞)


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