【シンガポール=中津幸久】アジア各国で鳥インフルエンザが猛威をふるう中、感染が確認されていないシンガポールはウイルスの流入を防ぐ措置として、離島で飼育されている健康な鶏など家きんを処分する方針を決めた。
管理国家特有の過剰とも見える厳重な予防措置に、養鶏業者の間で不満の声が出ている。
処分されるのはシンガポール東北部のウビン島で飼育されている全家きん250羽。政府の担当者は地元紙に対し、同島の家きんは野鳥と接触しウイルスに感染する可能性があるためと説明。島の養鶏業者4人と家きんの買い取り交渉を進めているが、業者側は「健康なものまで処分する必要があるのか」などと話している。
シンガポール本島では養鶏場7か所で220万羽が飼育されているが、いずれも野鳥との接触を防ぐネットを張り巡らせるなど厳重な警戒態勢を敷いている。
(2004/2/2/18:30 読売新聞)
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