鶏肉の禁輸措置続くなら日欧に報復も…タイ商業相

読売新聞WEB版
2004/02/04/23:36

 【バンコク=川辺徹】タイのワタナ商業相は4日、記者団に対し、タイでの鳥インフルエンザ発生後、同国の鶏肉などの輸入停止措置を取っている日本や欧州連合(EU)などに対し、禁輸が長引いた場合に報復措置を取ることを示唆した。

 日本とタイは鶏肉加工品などの輸出入再開に向けて協議を進める方針だが、商業相の発言は今後の交渉に影響を与える可能性もある。

 ワタナ商業相は「ゆでた鶏肉は世界保健機関(WHO)の基準に照らして安全なのに、輸入停止措置はやりすぎだ。報復を考えなければいけない」と述べた。

 さらに「(日本が早急に輸入を再開しないと)今後、トヨタ車をタイに輸出する前に蒸気消毒するよう求める」と日本のメーカー名も挙げた。

 日本は先月22日、タイの鶏肉やその加工品の輸入停止措置に踏み切った。日本側は輸入再開を協議する前提として、タイ政府に事実経過の報告を求めている。

 タイでは政府による「感染隠し」の疑惑が浮上。メディアの追及に不満を募らせたタクシン首相が1週間の「会見中止」を宣言するなど、政府側のいらだちも高まっている。

(2004/2/4/23:36 読売新聞)


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