インフルエンザワクチンの返品8万本…病院が抱えこみ

読売新聞WEB版
2004/02/09/14:23

 新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)の再流行に備えてインフルエンザワクチンの需要が増え、各地でワクチンが不足した問題にからみ、厚生労働省は9日、今シーズンに医療機関が販売業者に返品したワクチンの量は8万本以上に上ると発表した。

 一部の医療機関による「抱え込み」が裏付けられた形となり、来シーズンに向けてワクチンを融通し合うシステムの強化が求められそうだ。

 厚労省によると、先月末までの全国のインフルエンザワクチン返品量は計8万984本。愛知県が1万1145本と最も多く、大阪府、東京都と続いた。最終的な返品量はさらに増える見込み。

 今シーズンのインフルエンザワクチン供給量は、昨シーズンの消費量より4割多い約1480万本だったが、昨年11月から各地で不足が表面化。厚労省では、都道府県を通じて医療機関に対し、余っているワクチンを足りない地域へ配分することなどを呼びかけていた。

(2004/2/9/14:23 読売新聞)


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