大分の鳥インフルエンザ、「H5型」感染を確認

読売新聞WEB版
2004/2/17/21:42

鳥インフルエンザ発生で、消毒した鳥小屋と防護服姿の大分県職員(大分県九重町で)

 大分県九重(ここのえ)町でペットとして飼われているチャボが死に、農水省は17日、高病原性鳥インフルエンザ・H5型の感染を確認した。

 国内での鳥インフルエンザは先月12日、79年ぶりに山口県で発生が確認されたばかりで、感染が広がっている恐れも出てきた。大分県と、隣接する熊本県は17日、家畜伝染病予防法と農水省の防疫マニュアルに基づき、発生場所から半径30キロ以内の鶏や卵の移動を制限した。

 大分県によると、九重町内の製材所から今月14日、「飼っているチャボが死んだ」との連絡が同町役場にあった。この製材所では、チャボ13羽とアヒル1羽を庭先で飼っていたが、そのうちチャボ3羽が14日に死んだ。さらに翌日から16日にかけ、4羽のチャボが死んだ。

 県の家畜保健衛生所で調べたところ、16日に、死んだチャボ7羽のうち2羽から鳥インフルエンザの陽性反応が出た。このため大分県では、動物衛生研究所(茨城県つくば市)に確認検査を依頼。同研究所の検査で17日、「H5型」の鳥インフルエンザであることを確認した。インフルエンザのもうひとつのたんぱく質である「N」の型は特定されておらず、山口県での鳥インフルエンザ「H5N1型」と同じ強い毒性を持つものかどうかは、今後詳しく調べる。ただ、発生場所が約150キロ・メートル離れているため、2つの発生は関連がないとの見方が強い。

 大分県ではすでに、残りの7羽を処分し、製材所の消毒などを行った。また大分、熊本の両県は、製材所から半径30キロ区域内にある鶏や卵の移動を制限する措置などの対応を取った。

 山口県阿東町の養鶏場で発生した鳥インフルエンザは、感染が周囲に拡大していないことが確認されたため、農水省は、新たな発生がなければ当初予定通り、今月19日に移動制限を解除する方針。

 鳥インフルエンザは今冬、タイや中国など、東アジアを中心に各国で感染が拡大し、日本は、感染が確認された13の国・地域から鶏肉などの輸入を停止している。鶏肉や鶏卵を食べることによる感染例の報告はない。

          ◇

 小泉首相は17日、大分県内で鳥インフルエンザ感染が確認されたことについて、「まん延防止にしっかりした対応をとらなければならないと(農水省など)関係者に指示した」と述べ、拡大防止に万全の対策を講じる考えを強調した。首相官邸で記者団の質問に答えた。

(2004/2/17/21:42 読売新聞)

もどる