京都府丹波町の養鶏場「浅田農産船井農場」の鶏から高病原性鳥インフルエンザの陽性反応が出た問題で、府は２７日、農場の鶏が同日だけで約１万羽、２０日以降の合計では約２万８０００羽が死んだと発表した。

　鶏が大量死していたのに、農場を経営する「浅田農産」（兵庫県姫路市、浅田秀明社長）から府への連絡が全くなかったことについて、府警は２７日、家畜伝染病予防法に触れる恐れもあるとみて、浅田社長から事情を聞いた。

　府によると、府は１９日に船井農場を調査した際、農場側から「異常はない」との回答を受け、異常があった場合は連絡するよう、農場側に指示していた。しかし、府の調べでは、翌２０日に約１０００羽、２６日にかけて計約１万羽が死んだと報告され、その後の調査で、実際には計約１万８０００羽が死んでいたことが判明した。農場側から連絡はなかったという。府畜産課の原哲男課長は「業者が状況を正直に言ってくれなかったのは残念」と話した。

　浅田農産は、同町などの５農場で計１７５万羽を飼育。船井農場は２５、２６の両日、計約１万５５００羽を兵庫、愛知両県の業者に出荷し、卵も２０日以降、１日約１２万個を出荷していた。一方、府は農場に対し、２８日以降、死んだ鶏を農場内に埋めて処分するよう指導。鶏が集中して死んでいた鶏舎２棟について消毒も進める。

(2004/02/28/03:02　読売新聞）