鳥インフルエンザ拡大、香川でもウイルス

読売新聞WEB版
2004/03/01/22:40

 京都府丹波町の養鶏場「浅田農産船井農場」の鳥インフルエンザ感染問題で、香川県は1日、同県塩江町内の飼料肥料加工会社の羽毛からウイルスを検出したと発表した。

 羽毛は船井農場から兵庫県八千代町の食鳥処理会社を経由して持ち込まれたもので、ウイルス検出は山口、大分、京都、兵庫に次いで5府県に拡大した。

 また、神奈川県厚木市内の食品製造工場(本社・東京)が、同農場から約5・5トン(約8万5000個)の鶏卵を仕入れていたことも、同県の調査でわかった。同社は、一部をゆで卵に加工し、約1・7トンをコンビニエンスストアの弁当用として出荷、残りは船井農場に返品したという。一方、農水省は1日、船井農場で検出されたウイルスの型が、山口などで確認されたものと同じ「H5N1型」であることが分かったと発表した。

 香川県の調査で、鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出たのは、同県塩江町内の飼料肥料加工会社の工場の機械に付着していた羽毛2検体。船井農場から兵庫県八千代町の食肉処理業者にわたり、処理後に残った羽毛や骨などの一部で、県は船井農場で検出されたウイルスが運ばれたとして真鍋武紀知事を本部長とする対策本部を設けた。

 県畜産課によると、塩江町の業者は、羽毛や骨、内臓を130度の高温で加熱して粉末化し、飼料や肥料の原料を作っている。業者から先月28日に「船井農場の鶏の羽毛や骨が入荷している」と通報があり、県東部家畜保健衛生所の検査員が、加工機の入り口に付着していた羽毛、血液、肉片10検体と製品から2検体を調べた。

 簡易検査ではいずれも陰性だったが1日、確認検査で陽性反応が出たため、業者に対し、製品の搬出などの自粛を要請した。

 羽毛などはすべて高温処理しているためウイルスは死滅し、拡散する恐れは極めて低いとみている。2日にウイルスのサンプルを茨城県つくば市の動物衛生研究所に送る。

(2004/03/01/22:40 読売新聞)


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