ペットのインコにも感染 鳥インフルエンザの研究

共同通信
2004/03/25

 高病原性鳥インフルエンザがペットとして飼われるセキセイインコや日本中に生息する野鳥のムクドリにも感染することが、北海道大の喜田宏(きだ・ひろし)教授(獣医学)の研究で分かり、二十四日に東京都内で開かれた国の研究運営委員会で報告された。

 研究を取りまとめた文部科学省などによると、山口県の養鶏場から分離されたウイルスを入れた溶液を注射器で鼻から注入する方法で感染の有無を確認。ムクドリ、カモ、セキセイインコ各六羽すべてに感染が確認された。

 感染しても死なない鳥もあったが、セキセイインコは、注入後五日目までにすべて死んだ。

 同省の担当者は「鳥によっては感染することが確認された。実験で感染させたので、自然状態で感染するかどうかは慎重に検討する必要がある」と話している。

 この結果について、鳥取大の伊藤寿啓(いとう・としひろ)教授(同)は環境省で同日開かれた専門家会合で「カモは全身でウイルスが増殖したが、症状は出なかったといい、群れの中で感染が広がればウイルスの運び屋になる可能性は十分にある」と語った。

 研究運営委員会ではほかに、ベトナムの患者から分離したウイルスの弱毒化に成功してワクチン開発が進んだ状況や、インフルエンザウイルスが高病原性かどうかを簡便に判定するキットの開発にめどがついたことなどが報告された。

(2004/3/25 共同通信)


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