判定の研究所が多忙な日々 鳥インフルエンザ相次ぎ

共同通信
2004/03/25

 高病原性鳥インフルエンザの発症が相次ぎ、自治体から持ち込まれる検体の最終検査をする茨城県つくば市の動物衛生研究所では、多忙な日々が続いている。

 担当の研究者はウイルス病や疫学が専門の六人。検体が持ち込まれれば、昼夜を問わず作業を急ぐ。まん延防止には一分一秒が勝負だ。

 山口県の感染では、自治体の担当者が研究所に駆け込んだのが夜十時。幾重にも密閉した容器に入れて届けられた検体のウイルスチェックは未明まで続いた。

 大分県のケースでは、ウイルスを接種し感染力を確認するための健康な鶏が不足し、東京まで車を走らせたことも。

 ウイルスを扱う上での苦労も絶えない。外部への漏出を防ぐため、検査は気圧を低くした特殊な部屋で行われ、入退出も厳重に管理されている。

 鳥インフルエンザと人のインフルエンザに重複感染すると、人の体内で感染力が強いウイルスが生成される危険も指摘されている。担当者は事前に予防接種を受け、抗ウイルス薬も用意した。

 一般家庭からの問い合わせも相次ぐ。「春になると家にツバメが来るが大丈夫か」などの相談もあった。

 研究所の山中晴道(やまなか・はるみち)研究交流科長は「さらに五人が検査に加われるよう態勢を増強した」と話している。

(2004/3/25 共同通信)


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