チャボ異変通報の高倉さんに感謝状

朝日新聞WEB版
2004/03/12

 九重町で発生した鳥インフルエンザ問題で、鶏肉などの移動制限がすべて解除された11日、同町は飼っていたチャボの異変を通報した町内の高倉善次郎さん(54)と妻のイツ子さん(56)に感謝状を贈った。一時は嫌がらせ電話が相次いだ高倉さん宅には激励の電話やFAXが届き、夫妻を励ましていたという。

 同町役場であった贈呈式で、坂本和昭町長は「あなたがたのおかげで新たな感染もなく、今日の制限解除につながった」と2人に感謝した。善次郎さんは「山口での発生以来、町民に周知していた町のおかげです」。

 高倉さん宅には感染確認直後から嫌がらせの電話が相次いだ。だが、事態が沈静化するにつれ「よく通報してくれた」「負けないで頑張って」など激励の電話やFAXが50件ほど届いたという。

 善次郎さんは「東京の見ず知らずの人から寄せられたこともあり、心強かった。『知らせるべきではなかった』と思ったこともあったが、恐ろしい病気が広がらず、今は良かったと思っている」と話している。

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  亀井善之農林水産相も九重町の高倉善次郎さんに感謝状を贈ることを決めた。農水省によると、防疫上の通報者に贈られるのは異例。同省は「初動防疫において、迅速な通報が極めて重要。通報者への心ない行為もあったようなので、これを機に社会にアピールしたい」としている。

(2004/3/12 朝日新聞WEB版)


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