検査体制の見直し検討 大量死察知できず京都府 鳥インフルエンザ感染

共同通信
2004/04/05

 京都府丹波町の鳥インフルエンザ感染で、同府は浅田農産船井農場の8号鶏舎で鶏大量死が続いていた2月19日に立ち入り検査したのに異変を察知できなかったことを重視、大規模養鶏農家に獣医師配置を求めるなど検査体制の見直しを専門家会議で検討している。

 府によると、船井農場の立ち入り検査は山口、大分両県で鳥インフルエンザが発生したのを受けて実施。家畜保健衛生所の職員が鳥インフルエンザの症状などを書いたリーフレットを持って訪問した。しかし、鶏舎には入らず、農場側から「異常はない」との説明を受けて引き揚げた。

 家畜伝染病予防法(届け出義務)違反の疑いで逮捕された同社社長浅田秀明(あさだ・ひであき)容疑者(41)は、京都府警の調べに「2月17日ごろからたくさん死んでいると報告を受け、ひょっとしたら鳥インフルエンザかもと思った」と供述している。

 府警の調べでは、2万数1000羽が飼育されていた8号鶏舎では17日に通常の約2倍の49羽が死に、19日は118羽に上った。20日以降は1000羽以上に急増した。

 府担当者は「鶏舎に入ったとしても異常が確認できたとは限らず、基本的には養鶏農家に届けてもらうしかない」と現在の検査体制の限界を認めており、府は専門家会議の議論を踏まえて体制改善を進める。

 今回の事態を受けて農水省も3月4日、1000羽以上の飼育業者に対し、死んだ鶏の数などを週1回、都道府県に報告するよう通知している。

(2004/04/05 共同通信)


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