インフルエンザ薬タミフル、3割の子供に耐性ウイルス

読売新聞WEB版
2004/04/06/15:01

 A型インフルエンザの特効薬であるオセルタミビル(商品名タミフル)を子どもに使うと、約3割に薬の効きにくい耐性ウイルスが出現することが、東大医科学研究所の河岡義裕教授らの研究でわかり、6日に東京都内で開かれた日本感染症学会で報告した。

 オセルタミビルは、近い将来に人への感染力が強い新型インフルエンザが出現した場合の切り札となる特効薬としても期待されている。

 河岡教授らは、A型インフルエンザに感染した14歳以下の子ども33人を対象に、オセルタミビルを3―5日間投与し、治療前と治療後のウイルスの変化を調べた。

 その結果、9人のウイルスは治療後、オセルタミビルがウイルスに働く部分の構造が変化しており、いずれも薬が効きにくくなっていることがわかった。耐性ウイルスは、治療を始めて4―8日後に出現していた。今のところ、耐性ウイルスがどの程度の病原性を持つかなどはわかっていない。

 これまでオセルタミビルの耐性の出現率は子どもで5%程度と考えられていたが、河岡教授は「今回の研究は3歳以下の子どもが多く、インフルエンザに生まれて初めて感染した場合、ウイルスが増殖する期間が長く、耐性が出やすくなった可能性がある」としている。

(2004/04/06/15:01 読売新聞)


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