ベトナム、タイの死者56人 鳥インフルエンザ

共同通信
2004/04/08

 アジアで流行している高病原性鳥インフルエンザが感染して死亡した人はベトナムとタイを合わせて56人で、世界保健機関(WHO)集計の2倍に上ることが7日、分かった。国立感染症研究所の田代真人部長が、3月末に北京で開かれた研究会議での集計値として明らかにした。

 それによると、ベトナムは患者301人(死者42人)、タイは同31人(同14人)。田代部長は「感染者はアジア全体で1000人はいるだろうが、ウイルス学的に確認されていないため数字が上がってきていない」と説明した。

 WHOへの報告では、ベトナムでは患者22人(うち死者15人)、タイは同12人(同8人)にとどまっている。

 また、田代部長によると、同会議で中国側は、中国内で流行しているウイルス(H5N1型)について「タイ、ベトナムなどのウイルスとは異なる」と説明した。中国のウイルスは3種類に分類され、遺伝子を比較したところ、いずれも他国のウイルスと異なっていたという。

 ただ田代部長は、これらのウイルスは1996年に中国広東省のガチョウに流行したウイルスを共通の祖先にしているのは間違いないとし「似たウイルスが広がっている」との見方を示した。

(2004/04/08 共同通信)


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