中国のウイルス毒性強まる アヒル保有のH5N1型

共同通信
2004/06/29

 【ワシントン28日共同】中国広東省などで飼育されているアヒルが、鶏だけでなく哺乳(ほにゅう)類のマウスにも致死性を示す高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)を保有、ウイルスの毒性は過去数年で急速に強まっているとする論文を、中国農業省などの研究者と米国の共同チームが米科学アカデミー紀要電子版に28日発表した。

 広東省などの中国南部にはH5N1型ウイルスが既に定着したとみられていたが、哺乳類への毒性などウイルスの詳しい実態は分かっていなかった。人への毒性も強い恐れがあり、共同チームは「鶏や他の動物集団に広がらないよう、早急な対策が必要」としている。

 同チームは1999年から2002年にかけ、広東、福建省や上海市などにある農場のアヒルのふんから計21株のH5N1型ウイルスを分離。マウスへの感染実験の結果、1999年と2000年のウイルスはほとんどが毒性を示さなかったが、01年、02年と年を経るに従い強毒のウイルスが増え、02年は6株中3株が強毒株だった。

 同チームは、アヒル同士で感染を繰り返すうちにウイルスの遺伝子の組み換えが起き、哺乳類へも感染しやすくなった可能性などを指摘した。

(2004/6/29 共同通信)


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