H5N1ウイルス根絶困難 中国南部に定着

共同通信
2004/07/08

 昨年末から今年初めにかけて東南アジアで猛威を振るい、日本でも鶏などに感染が広がった鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)は、中国南部に定着しており根絶は困難、とする研究を中国広東省のスワトー大や香港大などのグループがまとめ、8日付の英科学誌ネイチャーに発表した。

 研究グループは「同ウイルスは世界的大流行を引き起こす可能性がある。長期的視野に立った封じ込め策が必要だ」と警告している。

 グループは2000年以降、中国南部でアヒルや鶏から分離されたH5N1型ウイルスの遺伝子を分析。これらのウイルスは、1996年に中国広東省のガチョウ農場で流行したH5N1型ウイルスの遺伝子とほかのインフルエンザウイルスの遺伝子が混ざった「再集合体」と呼ばれる雑種ウイルスと分かった。

 雑種ウイルスは、04年までに計14種類が派生。香港や中国南部の広東、雲南、湖南省で、平均気温が20度を下回る10月から3月にかけ、鳥の間で流行を繰り返してきた。

 中国本土では、アヒルなど水鳥にしか感染していなかったのが01年以降は、鶏にも感染するようになった。14種の大半は姿を消し、感染や増殖の能力が高いタイプのウイルスが生き残っていると考えられるという。

(2004/07/08 共同)


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