カラスでも全身感染 鳥インフルエンザウイルス

共同通信
2004/07/21

 国内で発生した鳥インフルエンザ(H5N1型)のウイルスは、鶏と同様カラスでも肺や心臓など全身の臓器に感染して増殖することが、動物衛生研究所(茨城県つくば市)の実験で20日までに確認された。

 同研究所によると、京都府で感染して死んだカラスも全身からウイルスが検出されており、山口成夫(やまぐち・しげお)感染病研究部長は「カラスでも全身感染を起こす毒性の強いウイルスだと確認できた。(体内での)ウイルスの増殖性は鶏に比べて低いが、カラスもウイルスを運ぶ可能性はあるので養鶏場に入れない対策が重要だ」と話している。

 実験は、山口県で感染した鶏から分離したウイルスをカラス3羽に経口接種し、3日目と5日目、7日目に解剖した。

 3日目に解剖したカラスからはウイルスが見つからなかったが、5日目では膵臓(すいぞう)と直腸から、7日目では肺や気管、肝臓、筋肉などから検出された。

(2004/07/21 共同通信)


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