治療法ない新型インフルエンザ、死者10万人超と試算

読売新聞WEB版
2004/7/30/23:33

 厚生労働省は30日、人類のほとんどが免疫を持たない新型インフルエンザが大流行し、患者の治療が全く行われなかった場合、国内の死者は10万人を超えるとの試算を明らかにした。

 今回の試算は医療行為が一切行われないという前提のため、現実とは異なるが、国の感染予防体制を構築するための基礎資料として計算。同日開かれた専門家会議で示した。

 それによると、新型インフルエンザに人口の25%(約3000万人)が感染した場合、最大で約2500万人が治療が必要となり、入院患者は43万人、死亡者は10万7000人にのぼると推定された。さらに、感染力が強いウイルスが発生するなど最悪の場合、死者は16万7000人に達する可能性もあるという。また、大流行が8週間続いた場合、1日当たりの入院患者は、最大で10万1000人と推計された。

(2004/7/30/23:33 読売新聞)

--------------------------------------------------------------------------------       鳥インフルエンザ、人感染に変異なら死者17万人の試算

 鳥インフルエンザウイルスの遺伝子が変異して、人の間で感染する新型インフルエンザが出現した場合、日本では4人に1人が感染し、最悪で約17万人が死亡する可能性があることが30日、厚生労働省の試算でわかった。現時点でウイルスの感染力は不明だが、同省はこの試算をたたき台として、治療薬の備蓄などを検討する。同省は「あくまで治療態勢を検討するための数字。適切な治療が行われれば、実際の被害は小さくなる」としている。

 試算は、専門家らでつくる厚労省の新型インフルエンザ対策検討小委員会で示された。

 これまでのインフルエンザの患者数などのデータから、米疾病対策センターが作った試算モデルに、日本の年代別人口構成などをあてはめた。その結果、日本の人口の4分の1に当たる約3200万人が感染すると推計した。

 さらに、医療機関を受診する患者数は約1686万人で、入院するほど重症になる患者は約43万人だった。死亡者は約10万7000人とはじかれたが、流行の大きさによっては約6万9000〜約16万7000人に及ぶ可能性もあるとしている。

(2004/07/31/12:32 朝日新聞)


もどる