豚から鳥インフルエンザウイルスを検出…中国福建省で

読売新聞WEB版
2004/8/20/20:52

 【北京=佐伯聡士】中国の国家鳥インフルエンザ参考実験室の陳化蘭主任は20日、北京市内で開かれたSARS(重症急性呼吸器症候群)と鳥インフルエンザに関する国際学術シンポジウムで、昨年、福建省の農場で、豚から初めて人間への感染の恐れがある鳥インフルエンザウイルス「H5N1」が発見されたことを明らかにした。

 陳主任は本紙に対し、どのような調査でウイルスを検出したのかなど詳細は明らかにしなかったが、ウイルスが発見された豚は発症しなかったという。世界保健機関(WHO)中国代表部スポークスマンは、今回の件について「ウイルスが見つかった豚に関する情報をもっと集めなければならない」として、懸念を示している。

 中国では今年初め、全国規模で鳥インフルエンザの感染が拡大。いったん終息したものの7月初め、安徽省で再び感染が確認されている。中国国内で人への感染が確認された例はない。

          ◇

 豚は鳥と人間のインフルエンザウイルスの両方に感染しやすく、豚の体内でウイルスが混ざり合って新型インフルエンザウイルスが生まれ、人類に大きな被害を及ぼす可能性があると警戒されている。

(2004/8/20/20:52 読売新聞)


もどる