新型インフルエンザ対策、治療薬1千万人分を国家備蓄

読売新聞WEB版
2004/08/31/21:12

 感染力が強く、1度流行すると最大で約2500万人の患者が発生すると試算されている新型インフルエンザ対策として、厚生労働省は31日、治療薬「タミフル」(一般名リン酸オセルタミビル)を、来年から5年間で約1000万人分、国家備蓄する方針を明らかにした。

 今年の鳥インフルエンザ流行を踏まえ、「緊急事態に備える必要がある」と判断した。

 新型インフルエンザは、通常のインフルエンザと鳥インフルエンザのウイルスが豚の体内などで混じり、強い感染力を持った新型のウイルスに変異して発生。タミフルは、症状が出てから48時間以内に服用すると効果があるとされ、国内には昨シーズンに約1500万人分が輸入された。

 厚労省では、今後も年間約1500万人分が製薬会社によって調達されると仮定。約2500万人の患者に対応するため、残りの約1000万人分について、タミフルの使用期限(5年間)に合わせて5年計画で備蓄するという。備蓄費用として、同省は来年度予算の概算要求に約4億3000万円を盛り込んだ。

(2004/08/31/21:12 読売新聞)


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