猫も鳥インフルエンザ感染 実験で確認、人間に危険も

共同通信
2004/09/03/06:17

 日本などアジアで感染が広がった高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)が猫に感染することをオランダのエラスムス医療センターが実験で確かめ、3日付の米科学誌サイエンスに発表した。猫が人間への感染源となる可能性も指摘している。

 猫はH5N1型を含むA型インフルエンザに抵抗力があると考えられていたが、今年初め、タイで猫へのH5N1型の感染例が報告されていた。

   論文によると、生後4―6カ月の飼い猫に、人間から分離したH5N1型ウイルスを気管内に接種。体温の急上昇や呼吸困難などの症状が現れ、解剖すると感染した人間や猿でみられるような肺胞の損傷が見つかった。

   人間によく流行するH3N2型(香港型)でも実験したが、感染や発症は確認できなかった。猫の体内でウイルスが交雑して新たなウイルスをつくりだす危険は、豚よりも低いとみられる。

(2004/09/03/06:17 共同通信)

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鳥インフルエンザ、ネコの発症を実験で確認

 病原性の強い鳥インフルエンザH5N1が、ネコにも感染して病気を引き起こし、重い場合は死に至ることを、オランダのエラスムス医療センターの研究者が確認した。3日付の米科学誌サイエンスで発表する。ネコの発症が実験で確認されたのは初めてという。

 気道にウイルスを直接付ける方法で3匹、感染した鳥の肉を食べさせる方法で3匹調べた。いずれのネコも発熱や肺炎などの症状が現れ、気道感染のネコ1匹は感染後6日で死亡した。

 国立感染症研究所の田代真人ウイルス第3部長は「今回の研究で、人で流行するインフルエンザにネコは感染しない、という結果も出ている。人と鳥の両方のウイルスに感染してしまうブタでは両方が混ざり合って新型ウイルスが生まれる可能性が懸念されているが、その恐れはネコではなさそうだ」と話している。

(2004/09/03 03:04) 朝日新聞WEB版


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