1)ピロリ菌感染による胃癌発生メカニズムの解明
ピロリ菌感染は胃癌発症の最も強い危険因子として位置付けられているが、特に菌体から宿主の胃粘膜上皮細胞へ注入されるCagA毒素をもつピロリ菌は、
これをもたない菌と比較し、激しい炎症とこれを基盤とする数倍以上とも言われる強い発癌活性を示すことが知られている。我々はCagAの標的分子の同定を目的として、
ショウジョウバエを用いたゲノム規模の遺伝学的スクリーニングを実施し、複数の新規CagA標的分子の同定に成功した。これらの標的分子に焦点を絞りながら、
ピロリ菌感染による胃癌発生メカニズムの解明と慢性・萎縮性胃炎などの前癌病変を標的とする新たな薬剤の開発を目指している。
2)脂肪組織の解剖と機能・外的内的環境変化への適応獲得機構の解明
3)生体の構造と機能に関する臨床解剖学的・分子免疫組織学的研究
1. リンパ管および微小循環系の構造・機能と発生・新生に関する機能形態学的・分子組織化学的解析・臨床解剖学的解析
2. 腹膜播腫のリンパ行性転移機構に関する免疫組織学的解析
3. 髄液循環に関する実験的解析
4. 硬膜外リンパ系を介する生理的髄液漏出の機序解明
5. 関節・神経−骨格筋系を中心とした臨床解剖学的・生体力学的研究
教育
解剖学、組織学、発生学の講義実習を担当している。