研究テーマ

教授:藤倉義久
専門分野:解剖学(含組織学、発生学)

【ホルムアルデヒド代替液の開発】
ホルムアルデヒド(FA)は組織固定、臓器保存、解剖実習用ご遺体の防腐処置など解剖学界のみならず、病理学、法医学、臨床でも汎用されている。しかし、平成20年にFAは国際がん保健機構より発ガン性物質に指定された。それで当講座ではFA代替液の開発に取り組んでいる。候補として高親水性高分子モノマーであるピロリドンを主成分とする混合液を用意した。

  1. 同液で摘出組織を固定、パラフィン包埋し、染色を施した場合
  2. 肉眼臓器を同液に浸漬し、固定・長期保存した場合
  3. 動物に同代替液を注入することによって個体を肉眼解剖実習に使用させていただくご遺体のような状態を用意できるか調べている。

現在迄にFA代替液に関連する特許を2件取得し、脱ホルマリンの目的を概ね達成し、商品化を目指している。

【細胞間コミュニケーションを担うギャップ結合】
ギャップ結合は隣接細胞間にある接着装置の一つで、6つのコネクシン蛋白でできており、中央に小孔を持っている。この孔を通して低分子蛋白やイオンが通過し、細胞内情報を隣接細胞に伝達する。分子量が32KDaであるコネクシン(Cx)蛋白はCx32と呼ばれ、肝臓、膵臓、唾液腺、涙腺、腎臓、末梢神経などに存在する。Cx32を認識する単クローン性抗体HAM8を用いて、形態学・生理学的な面から解析を行っている。

  1. 肝臓、涙腺では組織における超微局在と、in vivoin vitroでは経時的にCxの移動を調べ、細胞回転との関係を解析
  2. 末梢神経では超微局在を明かにし、再生神経での発現を解析
  3. 腎臓の尿細管上皮細胞間のCx32を糖尿病状態での変化と比較しながら解析

 

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