大分大学医学部小児科学講座

免疫・アレルギー疾患

グループ紹介

臨床

小児の免疫疾患の種類は多彩で、大きく小児リウマチ・膠原病、先天性免疫異常症(原発性免疫不全症/自己炎症性疾患)が対象疾患となります。大分大学医学部附属病院小児科ではいずれの疾患にも対応できるように、常に最新の情報を得て、ガイドライン等に則した診療を心がけています。また、必要に応じて院内の各科(整形外科や耳鼻科、眼科、皮膚科など)や、全国の専門施設とも連携して診断・治療を実施しています。
また、アレルギー診療に関しては、2021年1月より、「大分県アレルギー疾患医療拠点病院」に大分大学医学部附属病院が指定されました。小児では、その関連病院として大分こども病院が中心となり、県内の各病院と取り組んでいます。対象疾患は、食物アレルギー、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などで、外来診療では、年間約200人の食物経口負荷試験を行っています。さらに、院外活動として、「大分県版 学校・幼稚園における食物アレルギー対応の手引き」を元に大分市学校保健検討委員会に参加し、大分市版の作成に協力したほか、教員対象のアレルギー相談会などを行っています。

教育

主に学生や研修医に対して、診療の場で、不明熱の鑑別診断、診察手順、検査のオーダー内容とその解釈など、免疫疾患の見方について教育を行っています。アレルギー疾患に関しては、学外研修の学生や研修医に対して、実臨床を通して教育を行なっています。また、九州・全国規模で行われる学会や、各種セミナーにも積極的に参加し、知識や経験を積み重ねていけるように努めています。

研究

近年、先天性免疫異常症をはじめとした免疫疾患の発症には遺伝子の変化が関係することが数多く報告されるようになりました。それに伴い、今後は遺伝グループとも協力し、免疫疾患の病態解明につながる研究をすすめていきます。

求められていること、今後のミッション

免疫疾患は、小児では患者数が少ない疾患ではありますが、病状が多彩で、難治なものも多く慢性的に経過します。一方、アレルギー疾患は、小児の4割弱がなんらかのアレルギーを持ち、小中高生の約20人に1人が食物アレルギーを持っているという報告の通り、身近な疾患で、多くの方が抱えて悩まれています。それぞれの疾患で、治療方針に、新たな知見が次々と出てきていますので、その情報提供や実践に努め、疾患で悩む子ども達が困りごと少なく過ごせるよう細やかな診療を継続していくとともに、お子さんたちの日常生活を支えていけるように多職種でサポートしていきます。