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大分大学医学部 精神神経医学講座

教授挨拶

大分大学医学部精神神経医学講座は、1981年4月に藤井 薫教授と永山治男助教授が長崎大学から赴任し、大分医科大学精神神経医学講座として開設されました。さらに、1997年11月には永山治男助教授が第二代教授として就任いたしました。2003年10月に旧大分大学と大分医科大学が統合し、大分大学医学部脳・神経統御講座(精神神経医学)として再出発しています。

私は、2004年7月1日をもちまして、第三代教授に就任しました寺尾 岳(てらお たけし)でございます。簡単に自己紹介をするために、以下に私の略歴を挙げました。

 

1960年1月10日生まれ、山口県宇部市出身
1985年3月 産業医科大学医学部卒業
1985年7月 産業医科大学病院神経精神科研修医
1987年7月 同専修医
1989年4月 産業医科大学医学部精神医学教室助手
1993年3月 日立製作所日立健康管理センターへ産業医として派遣
1995年3月 産業医科大学医学部精神医学教室講師
1999年9月 オックスフォード大学医学部精神医学教室臨床精神薬理部門へ留学
2000年10月 産業医科大学医学部精神医学教室助教授
2004年7月 大分大学医学部脳・神経機能統御講座(精神神経医学)教授
2008年7月 講座再編により、大分大学医学部精神神経医学講座教授


山口県の宇部市から福岡県北九州市の産業医科大学を経由し、大分大学まで反時計回りに移動してきたことになります。前任地の産業医科大学は、産業医を育てるという目的大学でしたので、教育内容も一般の医学部と異なる部分がありました。その中で学んだ生活習慣病の概念を精神科臨床に生かしていくということが、私の抱負のひとつでございます。このような切り口から、とかく偏見で見られがちな精神科の敷居を低くし、どなたでも気軽に受診できる体制作りを進めようと考えております。

さて、1998年より年間自殺者数が3万人を突破し、2012年にはようやく3万人を下回りましたが、他の先進諸国と比較すると依然として自殺率は高い水準にあります。自殺の背景にはさまざまな要因がありますが、そのひとつとして、うつ病があります。うつ病を予防し、早期発見・早期治療することは、うつ病自体を減らすことのみならず、自殺を減らすことにもつながります。このような視点から、当科では運動、食事、睡眠など生活習慣を整えることで、うつ病を予防する取り組みを積極的に行っています。

また、当科ではさまざまな自殺対策の取り組みを行っております。たとえば、身体合併症を有する精神科患者さんの救急対応に関する予算を大分県からいただいておりますが、これをもとに自殺企図や自傷をされた患者さんの対応に尽力しています。研究面では、石井啓義准教授を中心に水道水に含まれる微量なリチウムの抗自殺効果についての疫学研究を全国規模で進め、水道水リチウム濃度の高い地域では他の地域よりも住民の自殺率が低いことを示しています。臨床研究として兼久雅之助教は、当院救命救急センターを受診した患者さんに協力をお願いし、自殺企図群は自傷群や対照群よりも有意に血中リチウム濃度が低いことを証明しています。これらのことから、リチウムは微量でも抗自殺効果を有する可能性が示唆されますので、次のステップとして臨床応用を検討しています。さらに、リチウムには認知症予防効果もあることが示唆される研究も北欧から発信されていますので、石井准教授を中心に当院精神科外来の患者さんでリチウムを服用していない方に協力をお願いし、微量な血中リチウム濃度と認知機能さらには認知症の発症率の相関を検討しています。

うつ病が広く認知される時代になりましたが、うつ病と一言で言っても、その内容は実にさまざまです。とりわけ、うつ病の仮面をかぶった双極性障害(昔は、躁うつ病と呼んでおりました)が結構多いことが問題になっています。つまり、うつ病の症状を出しているが、実は双極性障害の仲間(最近は、双極スペクトラムと呼びます)であるということです。このあたりを上手く診断し、治療しないとなかなか病状は改善しません。当科では、うつ病や双極性障害の病態生理の解明と診断・治療の確立のために、秦野浩司講師(カナダのモントリオール神経研究所に留学中)や河野健太郎助教、平川博文助教がMRIやPETを駆使して、うつ病や双極性障害の脳画像研究に精力的に取り組んでいます。なお躁病の治療に関しては、白浜正直助教が従来の薬物療法に加え、患者さんがサングラスを装着することで正常気分に早く回復する可能性を探っています。これ以外にも、私たちはさまざまな分野で、臨床・研究・教育に励んでおります。昨年から立ち上げた児童思春期外来では、小潟レミエ助教が活躍しております。

当科は、若い方々の自由な発想や意見を尊重します。古い考え方やしきたりを捨てて、一緒に頑張ってみようという研修医の方々、是非、当科の門を叩いてください。

 

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