腹腔鏡下子宮体癌手術 (2015年1月から2017年12月まで) に手術を受けられた方の診療情報の医学研究への使用のお願い~
本邦における子宮体癌に対する低侵襲*手術(MIS)の実施調査
*病気に対する治療を行う際、手術など体にとって害のある事を行うこと
この研究は以下の方を研究対象としています。
2015年1月より2017年12月の間に子宮体癌に対して、腹腔鏡手術またはロボット支援下手術を施行された方
子宮体癌は増加傾向にある癌であり、本邦では年間2万人の罹患が報告されています。子宮体癌の主な治療法は外科的切除であり、欧米を中心に低侵襲手術(MIS)、具体的には腹腔鏡下手術・ロボット支援下手術による治療が浸透しています。本邦では2014年4月より再発低リスクの子宮体癌に対する腹腔鏡手術が、2018年4月よりロボット支援下手術が保険適用となりました。そのため、子宮体癌に対する腹腔鏡手術・ロボット支援下手術(以下MIS)は増加しています。
一方で、本邦における子宮体癌に対するMISの実態については十分に把握できていないのが現状です。近年、多くの施設が子宮体癌に対する腹腔鏡手術あるいはロボット支援下手術の成績を報告しています。これらの報告では良好な成績を報告する施設がある一方、予想外の再発症例などの報告も散見されるのも事実です。そのため、本邦での子宮体癌に対するMIS治療の実態(これまでの実施数、手術適応、手術術式、予後、どのような施設で実施されているのかなど)を解析することで本邦のこの手術の現状を把握します。そして、問題点を明らかにすることで今後、より安全な手術の普及を図ることを目的として、この研究を計画しています。本研究では、手術を受けられた方の診療情報を、主研究施設の東海大学に提供しますが、個人が特定できない状態で提供し、有期限で情報は破棄します(詳細は後述します(【外部への情報の提供】の項))。
研究期間:(医学部長実施許可日)~2022年3月31日
本院におきまして、既に腹腔鏡で子宮体癌の治療を受けられた患者さんの手術時の情報を調べることで腹腔鏡下手術医学研究へ安全性についてさらに検討を行い、標準的な治療としての位置づけを図ってきたいと考えています。今回手術を受けられた方のカルテより、手術適応、手術術式、手術時間、手術時の出血量や合併症の有無、輸血の有無、予後(腫瘍が再発してないかなど)等を使用させていただきます。
なお、本研究に患者さんの診療情報を使用させていただくことについては、大分大学医学部倫理委員会において外部委員も交えて厳正に審査・承認され、大分大学医学部長の許可を得て実施しています。また、患者さんの診療情報は、国の定めた「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」に従い、匿名化したうえで管理しますので、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律を遵守いたします。
今回使用する診療情報については論文発表後10年間の保存を基本としており、保存期間終了後は、シュレッダーにて廃棄したり、パソコンなどに保存している電子データは復元できないように完全に削除します。
今回、患者さんの情報を本研究の主施設である東海大学へ提供しますが、特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。なお、情報を提供する際は、研究対象者である患者さん個人が特定できないよう、氏名の代わりに記号などへ置き換えて行いますが、この記号から患者さんの氏名が分かる対応表は、大分大学医学部産科婦人科学講座の研究責任者が保管・管理します。なお、取得した情報を提供する際は、記録を作成し大分大学医学部産科婦人科学講座で保管します。
情報の管理について責任を有する者の氏名又は名称
大分大学医学部産科婦人科学講座 西田正和
本研究を実施するに当たって、患者さんの費用負担はありません。また、本研究の成果が将来医薬品などの開発につながり、利益が生まれる可能性がありますが、万一、利益が生まれた場合、患者さんにはそれを請求することはできません。
この研究は資金を特に必要としませんが、必要になった場合は大分大学医学部産科婦人科学講座の寄付金を使用します。
この研究は,上記の公的な資金を用いて行われ,特定の企業からの資金は一切用いません。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭および個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)」は発生しません。
本研究へ診療情報を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に診療情報を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの診療情報は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。
患者さんの診療情報を使用してほしくない場合、その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または以下の照会先・連絡先までお申し出下さい。
【本学(若しくは本院)における研究組織】
所属・職名 | 氏名 | |
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研究責任者 | 大分大学医学部附属病院産科婦人科 | 講師 西田正和 |
研究分担者 | 大分大学医学部地域医療支援システム・産婦人科分野 | 教授 奈須家栄 |
大分大学医学部附属病院産科婦人科 | 助教 甲斐健太郎 | |
大分大学医学部産科婦人科学講座 | 助教 矢野光剛 |
【研究全体の実施体制】
研究代表者 | 東海大学 吉田浩 |
研究分担者 | 大分大学 ほか |
その他協力施設207施設(予定) | |
研究事務局 | 東海大学産科婦人科学学講座 |
近畿大学医学部産科婦人科学教室 中井 英勝
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申し出下さい。
照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
住 所:〒879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1-1
電 話:097-586-5922
担当者:大分大学医学部産科婦人科学講座 講師 西田正和(にしだまさかず)