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患者さんへ

本院で分娩された患者さん・ご家族の皆様へ

~分娩時、手術時 (平成10年4月1日から平成27年3月31日まで) に摘出された胎盤組織の医学研究への使用のお願い~


研究の目的について

妊娠高血圧症候群は、重症化すると母体の臓器障害を引き起こし、胎児発育遅延および胎児仮死の原因となり、母児の生命を危険にさらす産科合併症として重要な疾患です。その原因は未だ解明されていない点が多く、有効な治療法や予防法が確立されていないのが現状です。近年ではその発症に様々な遺伝子が重要な役割を果たしていることがわかってきました。そのため妊娠高血圧症候群発症に関与する遺伝子異常を同定することが治療法や予防法の解明のために不可欠です。
妊娠高血圧症候群の発症機序は不明な点が多く、疾患そのものに対する有効な治療法はありません。本研究では妊娠高血圧症候群と正常妊婦で得られた胎盤を用いて発現している遺伝子の相違を解析することで妊娠高血圧症候群の病態を明らかにし、新たな治療法開発へつなげることを目的とします。


使用させていただく組織(試料)等について

本院におきまして、分娩された患者さんの胎盤組織(試料)を医学研究へ応用させていただきたいと思います。その際、胎盤組織を調べた結果と診療情報(例えば妊娠分娩経過、児の出生後の経過がどうであったかなど)との関連性を調べるために、患者さんの診療記録(カルテやエコー写真など)を調べさせていただくこともあります。なお患者さんの胎盤組織(試料)及び診療記録(カルテ)を使用させていただきますことは本学医学部倫理委員会において外部委員も交えて厳正に審査され承認された後に行います。また、患者さんの試料および診療情報は、国の定めた「臨床研究に関する倫理指針」に従い、匿名化したうえで管理しますので、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律を遵守いたします。


使用させていただく組織(試料)の保存等について

胎盤組織(試料)の保存は5年間(平成27年5月1日から平成32年3月31日まで)を基本としており、研究終了後は、胎盤組織(試料)を焼却処分します。ただし、研究の進展によってさらなる研究の必要性が生じた場合は5年間を超えて保存させていただきます。


患者さんの費用負担等について

本研究を実施するに当たって、患者さんの費用負担はありません。また、本研究の成果が将来薬物などの開発につながり、利益が生まれる可能性がありますが、万一、利益が生まれた場合、患者さんにはそれを請求することはできません。


研究資金

本研究においては,公的な資金である産科婦人科学講座の寄付金を用いて研究が行われ,患者さんの費用負担はありません。


利益相反について

この研究は,上記の公的な資金を用いて行われ,特定の企業からの資金は一切用いません。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭および個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)は発生しません。


研究の参加等について

本研究へ胎盤組織(試料)を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に胎盤組織(試料)を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの胎盤組織(試料)は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。
患者さんの胎盤組織を使用してほしくない場合、その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または以下の研究責任者までお申し出下さい。


研究責任者

879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1-1
大分大学医学部産科婦人科学講座 准教授 西田欣広
電話番号 097-549-4411