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患者さんへ

本院で不妊治療を受けられた患者さん・ご家族の皆様へ

~体外受精・胚移植 (平成27年1月から平成34年12月まで)の際、 使用された培養液の医学研究への使用のお願い~


研究課題名

胚培養液のメタボローム解析


研究の対象

この研究は以下の方を研究対象としています。
2015年1月~2022年12月に当院で体外受精・胚移植を受けられた方


研究の目的・方法について

1978年に世界で初めて体外受精による児が誕生し、以降多くの不妊カップルがこの医療を受けています。様々な技術の進歩により妊娠率の上昇が認められる一方で、複数の胚を移植することによる多胎妊娠率の増加など、新たな問題も提起されてきました。
国内では2008年に日本産科婦人科学会より、移植胚数を原則1個、最大でも2個までとするガイドラインが制定され、現在は多胎妊娠防止のための単一胚移植が主流となっています。
妊娠率の低下を招くことなく移植胚数を減らすためには良好胚の選択が重要となりますが、現在は形態学的評価(細胞の数や形、発育スピードなどを一定の基準に当てはめ、見た目で評価する方法)による良好胚選択が広く用いられています。
しかしながら、この評価は主観的な評価法であり、同じ胚であっても、観察者により評価が変わる可能性があります。
また、観察時の評価とその後の発育状態が一致しないこともめずらしくありません。
現在、形態学的評価に代わる評価法を探すために様々な研究が行なわれています。
本研究では、体外受精・胚移植の治療を受けた患者さんの胚培養の際に生じる廃棄予定の培養液を用いて、胚の代謝産物(細胞が何を取り込んで、何を排出しているのか)を調べ、どのような代謝を行っている胚が妊娠に結びつく良好胚なのかを予測する指標にしたいと考えています。

  研究期間:2017年11月13日~2022年12月31日


使用させていただく試料・情報について

本院におきまして、既に体外受精・胚移植の治療を受けられた患者さんの培養液(試料)を医学研究へ応用させていただきたいと思います。その際、培養液を調べた結果と診療情報(例えば受精卵の発育状態や妊娠予後がどうであったかなど)との関連性を調べるために、患者さんの診療記録(情報:年齢、治療内容、治療結果、病歴、カルテ番号 等)を調べさせていただくこともあります。なお患者さんの培養液(試料)及び診療記録(情報)を使用させていただきますことは本学医学部倫理委員会において外部委員も交えて厳正に審査され承認され、大分大学医学部長の許可を得ています。また、患者さんの試料および診療情報は、国の定めた「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に従い、匿名化したうえで管理しますので、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律を遵守いたします。


使用させていただく試料・情報の保存等について

培養液(試料)の保存は論文発表後5年間、診療情報については論文発表後10年間の保存を基本としており、保存期間終了後は、残存培養液(試料)は焼却処分し、診療情報については、シュレッダーにて廃棄、もしくはパソコンなどに保存している電子データは復元できないように完全に削除します。ただし、研究の進展によってさらなる研究の必要性が生じた場合はそれぞれの保存期間を超えて保存させていただきます。


外部への試料・情報の提供

本研究では外部への試料・情報の提供はありません。
試料・情報の管理について責任を有する者の氏名又は名称は以下の通りです。

大分大学医学部産科婦人科学講座  西田 欣広


患者さんの費用負担等について

本研究を実施するに当たって、患者さんの費用負担はありません。また、本研究の成果が将来薬物などの開発につながり、利益が生まれる可能性がありますが、万一、利益が生まれた場合、患者さんにはそれを請求することはできません。


研究資金

本研究においては,公的な資金である大分大学医学部産科婦人科学講座の寄付金を用いて研究が行われ,患者さんの費用負担はありません。


利益相反について

この研究は,上記の公的な資金を用いて行われ,特定の企業からの資金は一切用いません。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭および個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)は発生しません。


研究の参加等について

本研究へ試料(培養液)および診療情報を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に試料・診療情報を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの試料・診療情報は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。
患者さんの試料・診療情報を使用してほしくない場合、その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または以下の照会先・連絡先までお申し出下さい。


研究組織

所属・職名 氏名
研究責任者 大分大学医学部産科婦人科学講座・准教授 西田 欣広
研究分担者 大分大学医学部産科婦人科学講座・教授 楢原 久司
大分大学医学部附属病院産科婦人科・医員 井上 尚実
大分大学医学部附属病院産科婦人科・胚培養士 原田 原田 枝美
大分大学全学研究推進機構・助教 酒井 久美子
大分大学全学研究推進機構・技術専門職員 古屋 マミ

お問い合わせについて

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
住 所:〒879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1-1
電 話:097-586-5922
研究責任者:大分大学医学部産科婦人科学講座 准教授 西田 欣広(にしだよしひろ)