献体とは

医学・歯学の大学において解剖学の教育・研究に役立たせるため、自分の遺体を無条件、無報酬で提供する篤志行為です。


解剖の種類
  1. 正常解剖又は系統解剖
    人体の構造を学ぶための解剖
  2. 病理解剖
    死後すぐ病変を調べるための解剖
  3. 法医解剖又は司法・行政解剖
    変死体の死因を調べるための解剖

以上の3種類があり、会員の皆様方が献体されますのは、1. の正常解剖で、医学教育の基礎といわれています。本学では医学教育の初期に履修する「人体解剖学実習」として解剖学教室で行われます。

メディカルスタッフ学生の解剖学実習見学について

現代の医学は高度に細分化され、患者さん一人に複数の医師、看護師、放射線技師、理学療法士などが加わりチームで治療に当たっています。この医師以外のチーム医療に携わるスタッフを「メディカルスタッフ」と総称します。

大分大学医学部では、将来看護師などを目指すメディカルスタッフの学生も人体の精密さを実際に学ぶ必要があるため解剖学実習の見学(実際に解剖は行いません)をさせていただいています。

ご遺体を用いた手術手技研修について

これまで本学に献体されたご遺体は、解剖学の教育や研究に使用させていただいておりましたが、昨今、外科手術をはじめとする医師の医療技術の修練や日々の診療に必要となる臨床解剖学の知識の習得並びに新規の手術手技の研究開発など、臨床医学における教育や研究のためにご遺体を使わせていただくこと(以下、まとめて「ご遺体を用いた手術手技研修」といいます)が、様々な領域から求められるようになってまいりました。

本学におきましても「ご遺体を用いた手術手技研修」を通して医師の医療技術を向上させ、より高度の医療をより安全に提供することを目指し、平成29年度白菊会総会において本研修に関する説明を行い、ご出席の皆さまより実施のご了承をいただきました。

また、令和4年10月18日開催の役員会において、次の3つの事項が新たに了承されましたことをご報告します。

  1. 研修で用いられる医療機器が「研修中」に故障した場合に、解剖実習室にメーカーの技術者が入ってこれに対応すること

    入室の際は、スマホなどの持ち込みを禁止し、誓約書を徴取するなどの漏洩防止措置を徹底します。

  2. 医師以外の医療職(看護師,臨床工学技士等)が研修へ参加すること

  3. 研修内容を外部に発表すること(写真・動画撮影を含む)

    このことについては、次の条件を設けることとします。

    • 学内委員会の審査・承認を得ること。
    • 個人の特定ができないようプライバシーに配慮すること。
    • 研修内容を白菊会のホームページ上で公開し、研修へのご遺体の使用を会員やご遺族の皆様が拒否できる機会を設けること。

会員の皆様には、以上の内容について、ご理解とご協力をお願いいたします。

ご不明な点等ございましたら、白菊会事務局までお問い合わせください。