臨床研究の情報公開

本院で小腸潰瘍に対して小腸カプセル内視鏡検査を受けられた患者さん・ご家族の皆様へ

当院では、以下の臨床研究を実施しております。この研究は、通常の診療で得られた過去の記録を用います。このような研究は厚生労働省の定めた「臨床研究の関する倫理指針」の規定により、研究内容の情報を公開することが必要とされております。この研究に関する問い合わせ等がありましたら、以下の「問い合わせ先」へご照会ください。
 ~内視鏡検査 (平成25年1月から平成28年9月まで) で撮影された写真の医学研究への使用のお願い~

【研究課題名】

「小腸深掘れ潰瘍に対するカプセル内視鏡検査と下部消化管内視鏡検査の診断能に関する比較検討」

【研究の目的について】

小腸カプセル内視鏡の登場によって、以前は困難であった小腸病変の観察が簡便に行えるようになり、様々な病気の診断に有用である事が分かってきました
しかし、腸管ベーチェット病に代表されるような深掘れ潰瘍に関しては小腸カプセル内視鏡検査が診断に適しているのかは分かっていません。
そこで私たちは深掘れ潰瘍に対するカプセル内視鏡検査と下部消化管内視鏡検査の所見を比較することにより、カプセル内視鏡検査の深掘れ潰瘍に対する診断精度を検討しようと考えています。
もし小腸カプセル内視鏡検査の診断精度が高ければ、小腸造影検査やバルーン式小腸内視鏡検査等の辛い検査を受けずに正しい診断ができる事になります。反対に、診断精度が低い場合は小腸カプセル内視鏡検査の結果を元に治療方針を決める事が危険である事が分かります。

【使用させていただく組織(試料)等について】

 本院におきまして、既に小腸カプセル内視鏡検査、及び下部消化管内視鏡検査を受けられ、小腸に深掘れ潰瘍を指摘された患者さんの内視鏡検査写真を医学研究へ応用させていただきたいと思います。その際、診療情報(例えば前処置薬や診断名、治療内容がどうであったかなど)との関連性を調べるために、患者さんの内視鏡写真以外の診療記録を調べさせていただくこともあります。なお患者さんの診療記録を使用させていただきますことは本学医学部倫理委員会において外部委員も交えて厳正に審査され承認された後に行います。また、患者さんの診療情報は、国の定めた「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に従い、匿名化したうえで管理しますので、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律を遵守いたします。

【使用させていただく研究資料の保存等について】

 研究資料の保存は平成28年9月30日から5年間を基本としており、研究終了後は、研究資料を焼却処分します。ただし、研究の進展によってさらなる研究の必要性が生じた場合は5年間を超えて保存させていただきます。

 【患者さんの費用負担等について】

 本研究を実施するに当たって、患者さんの費用負担はありません。また、本研究の成果が将来薬物などの開発につながり、利益が生まれる可能性がありますが、万一、利益が生まれた場合、患者さんにはそれを請求することはできません。

【研究資金】

 本研究においては、公的な資金である消化器内科学講座の寄付金を用いて研究を行います。患者さんの費用負担はありません。

【本研究に係る利益相反について】

 この研究は,上記の公的な資金を用いて行われ,特定の企業からの資金は一切用いません。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭および個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)は発生しません。

【研究の参加等について】

 本研究へ診療記録を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に診療記録を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの診療記録は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。 患者さんの内視鏡写真等の診療記録を使用してほしくない場合、その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または以下の研究責任者までお申し出下さい。

〒879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1丁目1番地
       大分大学医学部 消化器内科学講座 

医員 園田 光 (そのだ あきら)
               電話番号 097-586-6193