臨床研究の情報公開

本院でピロリ菌の除菌治療を受けられた患者さん・ご家族の皆様へ
 ピロリ菌除菌治療およびその後の内視鏡検査記録の医学研究への使用のお願い

当院では、以下の臨床研究を実施しております。この研究は、通常の診療で得られた過去の記録を用います。このような研究は厚生労働省の定めた「臨床研究の関する倫理指針」の規定により、研究内容の情報を公開することが必要とされております。この研究に関する問い合わせ等がありましたら、以下の「問い合わせ先」へご照会ください。

【研究課題名】

ヘリコバクター・ピロリ菌除菌症例の全国前向き調査  - 全国除菌レジストリー

【研究の対象】

 この研究は以下の方を研究対象としています。
40歳以上75歳未満で、2018年3月から2021年3月31日まで本院でピロリ菌除菌療法を実施し、除菌治療に成功した方です。その後20年間、経過観察を行います。

【研究の目的・方法について】

  本院は、日本ヘリコバクター学会の多施設共同研究「ヘリコバクター・ピロリ菌除菌症例の全国前向き調査―全国除菌レジストリー」(研究代表者:鈴木 秀和)に参加しています。
本研究の目的は、ヘリコバクター・ピロリ菌除菌治療後の胃がん発がん状況を調べることです。これにより、発がん率、リスク因子、最適な内視鏡検査施行の間隔などを明らかにすることが可能になります。
除菌に成功すれば、胃がん発がんのリスクは低下します。しかし、全く胃がんにならないわけではありませんので、除菌治療後も内視鏡検査による経過観察は必要です。本研究では、この経過観察のための内視鏡検査の実施年月日、検査結果などの情報を使用させていただきます。本院において通常の診療として行われた上部消化管内視鏡及びピロリ菌感染検査において、ピロリ菌陽性の場合には保険診療(1回目および2回目の除菌治療)または自由診療(1,2回目の除菌治療が不成功の場合における3回目の除菌治療)で除菌治療を行います。除菌治療終了後4週間以降に除菌判定検査を行い、除菌成功が確認された患者さんが対象となます。対象となる患者さんにおいて、性別、年齢、内視鏡検査の結果、胃の診断名、用いた除菌治療薬、その後通常の診療にて行われた上部消化管内視鏡検査による経過観察の結果を用います。
詳しい研究方法等は、日本ヘリコバクター学会のホームページをご参照下さい。(http://www.jshr.jp/about/business.html)

研究期間: 倫理委員会承認日から西暦2037年6月29日

【使用させていただく試料・情報について】

 本研究で得た診療情報を医学研究へ応用させていただきたいと思います。その際、内視鏡検査の結果と診療情報との関連性を調べるために、患者さんの診療記録を調べさせていただくこともあります。なお患者さんの情報を使用させていただきますことは大分大学医学部倫理委員会において外部委員も交えて厳正に審査され承認され、大分大学医学部長の許可を得ています。また、患者さんの診療情報は、国の定めた「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に従い、匿名化したうえで管理しますので、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律を遵守いたします。

【使用させていただく情報の保存等について】

使用した診療情報の保存は論文発表後10年間の保存を基本としており、保存期間終了後は診療情報については、シュレッダーにて廃棄したり、パソコンなどに保存している電子データは復元できないように完全に削除します。ただし、研究の進展によってさらなる研究の必要性が生じた場合はそれぞれの保存期間を超えて保存させていただきます。

【外部への情報の提供】

本研究の主施設である日本ヘリコバクター学会 レジストリー委員会への患者さんの情報の提供については、特定の関係者以外がアクセスできない状態で日本ヘリコバクター学会ホームページからリンクした専用のWEB画面から行います。症例登録票には特定の個人を識別することが可能な情報は記入せず被験者識別番号をつけることで個人が特定できないよう匿名化を行います。データの管理および患者氏名と被験者識別番号の対応表は、本院の試験責任者である大分大学医学部消化器内科学講座にて厳重に管理します。また、大分大学医学部長宛へ提供の届出を行い、提供先へも提供内容がわかる記録を提出します。
試料・情報の管理について責任を有する者の氏名又は名称
大分大学医学部消化器内科学講座・教授 村上和成

【研究組織】

【本学における研究組織】                             
研究責任者:消化器内科学講座・教授     村上和成
研究分担者:大分大学福祉健康科学部・教授 兒玉雅明
消化器内科学講座・講師     沖本忠義
卒後臨床研修センター・准教授   水上一弘
消化器内科 ・助教 小川 竜
消化器内科学講座・助教 岡本和久

   【研究全体の実施体制】
   1)共同研究
研究代表者  慶應義塾大学医学部医学教育統轄センター 鈴木秀和
研究分担者  国立病院機構函館病院 消化器科  間部克裕
研究分担者  富山大学医学部第三内科 加藤智惠子
研究分担者  京都府立医科大学消化器内科 半田 修
研究分担者  朝日大学村上記念病院  八木信明
研究分担者  大阪市立大学医学部消化器内科 渡辺俊雄
研究分担者  川崎医科大学健康管理学        鎌田智有
研究分担者  香川県立中央病院消化器内科 稲葉知己
研究分担者  杏林大学医学部第三内科  徳永健吾
研究分担者  鳥居内科クリニック 鳥居 明
研究分担者  岡山大学医学部附属病院第一内科 岡田裕之
研究分担者  大分大学福祉健康科学部  兒玉雅明
研究分担者  慶應義塾大学医学部医療政策・管理学 宮田裕章
オブザーバー(理事長) 杉山敏郎 

(2)事務局
日本ヘリコバクター学会研究推進委員会(1)除菌レジストリー委員会 事務局
     

【患者さんの費用負担等について】

本研究を実施するに当たって、患者さんの費用負担はありません。また、本研究の成果が将来薬物などの開発につながり、利益が生まれる可能性がありますが、万一、利益が生まれた場合、患者さんにはそれを請求することはできません。特許が発生した場合の権利は、日本ヘリコバクター学会に帰属します。

【研究資金】

 本研究においては,公的な資金である日本ヘリコバクター学会の研究費を用いて研究が行われ,患者さんの費用負担はありません。

【本研究に係る利益相反について】

 この研究は,上記の公的な資金を用いて行われ,特定の企業からの資金は一切用いません。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭および個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)は発生しません。

【研究の参加等について】

本研究へ診療情報を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に診療情報を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの診療情報は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。
患者さんの試料・診療情報を使用してほしくない場合、その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または以下の照会先・連絡先までお申し出下さい

【お問い合わせについて】

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
住 所:〒879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1-1
  電 話:097-586-6193
 研究責任者:大分大学医学部消化器内科学学講座 
教授 村上和成(むらかみかずなり)
住所:〒870-1170 大分県大分市旦野原700番地
電話: 097-586-6193(大分大学医学部消化器内科学講座)
担当者:大分大学福祉健康科学部  教授 兒玉雅明(こだままさあき)


研究代表者
日本ヘリコバクター学会 レジストリ-委員会 委員長 慶應義塾大学医学部医学教育統轄センター 教授 鈴木秀和