臨床研究の情報公開

本院でピロリ菌検査を受けられた患者さん・ご家族の皆様へ
 ~ヘリコバクター・ピロリ除菌前後の組織学的胃炎と血清学的変化についての検討への使用のお願い~

当院では、以下の臨床研究を実施しております。この研究は、通常の診療で得られた過去の記録を用います。このような研究は厚生労働省の定めた「臨床研究の関する倫理指針」の規定により、研究内容の情報を公開することが必要とされております。この研究に関する問い合わせ等がありましたら、以下の「問い合わせ先」へご照会ください。

【研究課題名】

ヘリコバクター・ピロリ除菌前後の組織学的胃炎と血清学的変化についての検討

【研究の対象】

この研究は以下の方を研究対象としています。
2011年1月19日~2020年3月31日までに当院で上部消化管内視鏡検査を受けピロリ菌の血液検査および組織学検査を受けられた方

【研究の目的・方法について】

ピロリ菌感染は、胃癌発症の原因と考えられており、除菌による胃癌予防効果が期待されています。一方、除菌後に胃癌を発症する症例も報告されており、除菌後と未感染症例を区別することは重要と考えられています。近年検診などで血清抗ピロリ菌抗体と血清ペプシノゲン値を用いた胃癌リスク診断が施行されていますが、除菌後症例の診断が問題となっています。本研究は同一症例における、ピロリ菌除菌前後の血清抗体価と血清ペプシノゲン値の長期間における経時的変化および内視鏡的、組織学的変化について検討し、未感染症例と比較し、未感染症例と比較することにより、胃癌高リスク群である既感染例と低リスク群である未感染例を、血清抗体価の至適カットオフ値を設定することを目的としております。
方法は、上部消化管内視鏡検査時にピロリ菌の血液検査および組織学検査を行った患者さんのピロリ菌の抗体の値と血清ペプシノゲン値を調べます。また、組織を調べて、炎症の程度を顕微鏡で評価します。
本研究に関して患者さんに、追加の受診や検査は不要です。
研究期間:2018年7月13日~2020年3月31日

【使用させていただく試料・情報について】

本院におきまして、ピロリ菌検査のために、2011年1月19日から2020年3月31日までの間に採取された血液と組織を医学研究へ応用させていただきます。その際、診療情報(例えば年齢や性別、ピロリ菌の除菌治療歴、除菌結果、既往歴など)との関連性を調べるために、患者さんの診療記録を調べさせていただくこともあります。なお患者さんの診療記録の使用に関しては本学医学部倫理委員会において外部委員も交えて厳正に審査され承認されており、大分大学医学部長の許可を得ています。
また、患者さんの診療情報は、国の定めた「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に従い、匿名化したうえで管理しますので、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律を遵守いたします。

【使用させていただく情報の保存等について】

研究試料(血液、組織)は、本研究目的では保管しません。
今回の研究で得られたデータ・資料の保存は、大分大学院生研究棟8階の消化器内科学講座医局内で、この研究の論文発表後10年間を基本としており、保存期間終了後は、研究資料を個人情報が漏洩しないよう匿名化して破棄します。ただし、研究の進展によってさらなる研究の必要性が生じた場合はそれぞれの保存期間を超えて保存させていただきます。

【外部への情報の提供】

本研究で使用した試料や情報を他の機関へ提供することはありません。

【研究組織】
【本学(若しくは本院)における研究組織】
           所属・職名             氏名
研究責任者  大分大学医学部消化器内科学講座
 講師
沖本 忠義   
研究分担者  大分大学医学部消化器内科学講座 教授
村上 和成  
大分大学福祉健康科学部(消化器内科)教授
兒玉 雅明   
大分大学医学部附属病院卒後臨床研修センター(消化器内科)准教授
水上 一弘   
大分大学医学部附属病院消化器内科 助教 小川 竜
大分大学医学部消化器内科学講座 助教
岡本 和久
大分大学医学部附属病院内視鏡診療部(消化器内科)病院特任助教 福田 健介

【研究資金】

 本研究は、公的資金である大分大学医学部消化器内科学講座の寄付金を用いて研究が行われ,患者さんの費用負担はありません。

【本研究に係る利益相反について】

 この研究は,上記の公的な資金を用いて行われ,特定の企業からの資金は一切用いません。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭および個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)は発生しません。

【研究の参加等について】

本研究へ試料(血液・組織標本)・情報(診療記録)を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に試料・情報を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの試料・情報は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。
その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または以下の照会先・連絡先までお申し出下さい。

【お問い合わせについて】

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
住 所:〒879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1-1
  電 話:097-586-6193
 担当者:大分大学医学部消化器内科学講座 
講師 沖本 忠義(おきもと ただよし)