臨床研究の情報公開

本院で萎縮性胃炎の検査を受けられた患者さん・ご家族の皆様へ


~診療情報、診療目的に生検された胃粘膜組織および保存血清(1995年4月から2020年5月まで) の医学研究への使用のお願い~

当院では、以下の臨床研究を実施しております。この研究は、別の研究で得られた過去の記録を用います。このような研究は厚生労働省の定めた「臨床研究の関する倫理指針」の規定により、研究内容の情報を公開することが必要とされております。この研究に関する問い合わせ等がありましたら、以下の「問い合わせ先」へご照会ください。

【研究課題名】

胃がんリスク評価に向けたH. pylori感染性胃炎と自己免疫性胃炎の組織学像の比較検討

【研究の対象】

この研究は以下の方を研究対象としています。
1995年4月~2020年5月に当院で内視鏡検査を受けて萎縮性胃炎(ヘリコバクター・ピロリ感染性胃炎、自己免疫性胃炎)と診断された患者さん。

【研究の目的・方法について】

 ヘリコバクターピロリ菌感染性胃炎は、胃粘膜の萎縮(萎縮性胃炎)を引き起こすことで、胃癌の発生母地となることが知られています。一方、ヘリコバクターピロリ菌感染性胃炎は除菌によって治療することが出来き、本邦では、保険診療で除菌治療が行われるようになってからヘリコバクターピロリ菌感染性胃炎の罹患率、胃癌による死亡率は年々減少傾向にあります。しかし、ヘリコバクターピロリ菌を原因としない萎縮性胃炎として知られる自己免疫性胃炎が相対的に増加し、近年問題となっています。自己免疫性胃炎は、貧血の原因となるとともに、胃がんの高発生リスク群であるためです。しかし、日常診療で自己免疫性胃炎を診断することは難しく、特に、ヘリコバクターピロリ菌感染治療後の状態の組織像との比較が難しいです。
 本研究では、既に上部消化管内視鏡検査を受けられ、萎縮性胃炎の診断目的に胃粘膜採取、血液検査が施行された患者さんの胃粘膜組織、および血液検体、内視鏡画像を用いて、医学研究へ応用させていただきたいとおもいます。この研究を行うことで、ヘリコバクターピロリ菌性胃炎との鑑別方法だけでなく、自己免疫性胃炎患者の胃癌の早期発見や観察期間の設定にも役立つと考えています。

研究期間:2020年倫理委員会承認日~2025年12月31日

【使用させていただく情報について】

 本院におきまして、既に萎縮性胃炎の診断目的に本院で上部消化管内視鏡検査、生検検査を受けられた患者さんの胃粘膜組織、血液検体、内視鏡画像を医学研究へ応用させていただきたいと思います。その際、患者さんの診療記録(白血球や赤血球などの血液所見や内服の情報、内視鏡検査を受けるまでの臨床経過など)を調べさせていただきます。なお患者さんの組織(試料)及び診療記録(情報)を使用させていただきますことは本学医学部倫理委員会において外部委員も交えて厳正に審査され承認され、大分大学医学部長の許可を得ています。また、患者さんの試料および診療情報は、国の定めた「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に従い、匿名化したうえで管理しますので、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律を遵守いたします。

【使用させていただく情報の保存等について】

胃粘膜組織(試料)は測定終了後に焼却処分します。診療情報については論文発表後10年間の保存を基本としており、保存期間終了後は、シュレッダーにて廃棄し、パソコンなどに保存している電子データは復元できないように完全に削除します。

【外部への情報の提供】

本研究の共同研究施設である滋賀医科大学医学部 病理学講座 人体病理部門への患者さんの試料・情報の提供については、特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。なお、滋賀医科大学医学部 病理学講座 人体病理部門へ提供する際は、研究対象者である患者さん個人が特定できないよう、氏名の代わりに記号などへ置き換えますが、この記号から患者さんの氏名が分かる対応表は、大分大学の研究責任者が保管・管理します。なお、取得した試料・情報を提供する際は、記録を作成し大分大学医学部消化器内科講座で保管します。
 試料・情報の管理について責任を有する者の氏名又は名称
  大分大学福祉健康科学部(附属病院内視鏡診療部)  兒玉 雅明
  滋賀医科大学医学部 病理学講座 人体病理部門 九嶋 亮治

【研究組織】

【本学(若しくは本院)における研究組織】
 所属・職名        氏名
研究責任者 大分大学福祉健康科学部
(医学部附属病院内視鏡診療部・診療教授)     兒玉 雅明
研究分担者 大分大学医学部消化器内科学講座・教授      村上 和成
研究分担者 大分大学医学部消化器内科学講座・講師      沖本 忠義
研究分担者 大分大学医学部附属病院卒後臨床研修センター・准教授 水上 一弘
研究分担者 大分大学医学部消化器内科学講座・客員研究員   福田 昌英
研究分担者 大分大学医学部附属病院消化器内科・医員     佐藤 祐斗
研究分担者 大分大学医学部消化器内科学講座・大学院生    渕野 貴文

【研究全体の実施体制】
研究代表者 大分大学 福祉健康科学部兒玉 雅明
研究分担者
滋賀医科大学医学部 病理学講座 人体病理学部門
教授  九嶋 亮治
大分赤十字病院 消化器内科    部長  上尾 哲也 
有田胃腸病院        内科副院長  井上 邦光 
あべ胃腸病内視鏡クリニック    院長  阿部 寿徳

【患者さんの費用負担等について】

本研究を実施するに当たって、患者さんの費用負担はありません。また、本研究の成果が将来薬物などの開発につながり、利益が生まれる可能性がありますが、万一、利益が生まれた場合、患者さんにはそれを請求することはできません。

【研究資金】

 本研究においては,公的な資金である大分大学医学部消化器内科学講座の寄付金を用いて研究が行われ,患者さんの費用負担はありません。

【本研究に係る利益相反について】

 この研究は,上記の公的な資金を用いて行われ,特定の企業からの資金は一切用いません。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭および個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)は発生しません。

【研究の参加等について】

本研究へ試料および診療情報を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に試料・診療情報を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの試料・診療情報は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。
患者さんの試料・診療情報を使用してほしくない場合、その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または以下の照会先・連絡先までお申し出下さい。

【お問い合わせについて】

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。
照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
住 所:〒879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1-1
電 話:097-586-6193
担当者(研究責任者):大分大学福祉健康科学部
教授 兒玉 雅明(こだま まさあき)