臨床研究の情報公開

本院で内視鏡検査・治療を受けられた患者さん・ご家族の皆様へ
~消化器内視鏡に関連した偶発症の全国調査への情報提供のお願い~

当院では、以下の臨床研究を実施しております。この研究は、別の研究で得られた過去の記録を用います。このような研究は厚生労働省の定めた「臨床研究の関する倫理指針」の規定により、研究内容の情報を公開することが必要とされております。この研究に関する問い合わせ等がありましたら、以下の「問い合わせ先」へご照会ください。

【研究課題名】

消化器内視鏡に関連した偶発症の全国調査

【研究の対象】

  この研究は以下の方を研究対象としています。
西暦2020年8月3日 ~ 西暦2020年8月9日の間に当院で内視鏡検査・治療を受けられた患者さん。また、重症偶発症事例の調査は、上記1週間から遡った3年間を調査期間といたします。

【研究の目的・方法について】

 日本消化器内視鏡学会は、消化器内視鏡に関連した出血や消化管穿孔(しょうかかんせんこう:穴があくこと)などといった偶発症を1983 年から5 年毎に、これまで6回にわたり全国的に調査を行ってきました。6 回目の調査は2008 年から2012 年まで行われ、その結果は2016 年に本学会誌に公表されています。偶発症の実態を知ることは、安全かつ効果的な消化器内視鏡診療の遂行に欠かせないものであり、日本消化器内視鏡学会としては近年の実態についての調査が必要と考えています。
 これまでの5 年間をまとめた調査では、ほかの前向き(調査すると決めた後に起こったこと)の調査と比べて偶発症頻度にかなりの較差があることが判明しました。そのため今回の「消化器内視鏡に関連した偶発症の全国調査」では、発生した偶発症については、調査期間を短く任意設定した前向き調査、ならびに、重症事例調査として、任意に設定した調査期間の3年以内に起こった重症事例を後ろ向き(調査すると決めた前に起こったこと)に調査し、従来の調査に比してより実態に近い調査を施行することとしました。本研究では、上記の前向きおよび後ろ向きの結果を併せて検討し、消化器内視鏡に関連した偶発症の実態を明らかにする事を目的とします。
 本研究は、本研究に参加する各施設で任意に設定した調査期間中(1週間:*承認後に決定後の期間を明記)に発生した、消化器内視鏡に関連した偶発症(①術者側の事故数、②前処置と感染に関する偶発症発生数、③消化器内視鏡の検査総数および偶発症発生数(生検を含む観察のみ)、④内視鏡治療の実施例数および偶発症発生数、⑤腹腔鏡における検査および治療総数と偶発症発生数(外科治療を除く)、および、発生した偶発症の詳細についてデータを収集します。また、*任意に設定した期間から遡って3 年以内に発生した重症事例についても調査します。なお、データについては日本消化器内視鏡学会で集約し、解析の上公表いたしますが、個々人の情報別に示されることはありません。
 なお、本研究で得た患者さんの診療情報は、日本消化器内視鏡学会医療安全委員会へ個人が特定できないようにして提供します。

研究期間:西暦2020年6月22日 ~ 西暦 2021年12月31日

【使用させていただく情報について】

本院におきまして、(西暦2020年8月3日 ~ 西暦2020年8月9日の1 週間、および重症偶発症事例の調査は、設定した1週間から遡った3年間の内視鏡検査・治療を受けられた患者さんの診療情報(例えば年齢や性別、内視鏡検査の偶発症、原疾患、既往歴など)を使用させていただきます。なお患者さんの診療情報の使用に関しては本学医学部倫理委員会において外部委員も交えて厳正に審査され承認されており、大分大学医学部長の許可を得ています。
また、患者さんの診療情報は、国の定めた「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に従い、匿名化したうえで管理しますので、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律を遵守いたします。

【使用させていただく情報の保存等について】

本研究で使用する診療情報は論文発表後10年間の保存を基本としており、保存期間終了後は、シュレッダーにて廃棄したり、パソコンなどに保存している電子データは復元できないように完全に削除します。

【外部への情報の提供】

日本消化器内視鏡学会医療安全委員会への患者さんの情報提供は、特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。なお、日本消化器内視鏡学会医療安全委員会へ提供する際は、研究対象者である患者さん個人が特定できないよう、氏名の代わりに記号などへ置き換えますが、この記号から患者さんの氏名が分かる対応表は、大分大学医学部消化器内科学講座の研究責任者が保管・管理します。なお、取得した情報を提供する際は、記録を作成し大分大学医学部消化器内科学講座で保管します。
 情報の管理について責任を有する者の氏名又は名称
  大分大学医学部消化器内科学講座  村上 和成

【研究組織】

【本学(若しくは本院)における研究組織】
            所属・職名             氏名
研究責任者 大分大学医学部消化器内科学講座  教授  村上 和成
研究分担者 大分大学福祉健康科学部(消化器内科)教授 兒玉 雅明
       大分大学医学部消化器内科学講座 講師   沖本 忠義
       大分大学医学部附属病院卒後臨床研修センター(消化器内科)准教授   水上 一弘
大分大学医学部附属病院消化器内科 助教  小川 竜 
大分大学医学部消化器内科学講座 助教  岡本 和久
大分大学医学部附属病院内視鏡診療部(消化器内科)病院特任助教 福田 健介

【研究全体の実施体制】
1)日本消化器内視鏡学会医療安全委員会
2)研究代表責任者
日本消化器内視鏡学会 医療安全委員会 担当理事 入澤篤志
獨協医科大学医学部 内科学(消化器)講座 主任教授
3)研究協力機関
日本消化器内視鏡学会 指導施設 1384 施設 (日本消化器内視鏡学会指導施設一覧ホームページ https://www。jges。net/medical/specialist/instruct-list)
4)データ登録・管理
浜松医科大学臨床研究センター 古田隆久

【患者さんの費用負担等について】

本研究を実施するに当たって、患者さんの費用負担はありません。また、本研究の成果が将来薬物などの開発につながり、利益が生まれる可能性がありますが、万一、利益が生まれた場合、患者さんにはそれを請求することはできません。

【研究資金】

 本研究は、日本消化器内視鏡学会の費用を用いて研究が行われるため、本学の資金を必要としませんが、必要となった場合は大分大学医学部消化器内科学講座の寄付金を使用します。

【本研究に係る利益相反について】

 この研究は,上記の公的な資金を用いて行われ,特定の企業からの資金は一切用いません。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭および個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)は発生しません。

【研究の参加等について】

本研究へ情報(診療記録)を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に診療情報を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの診療情報は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。
患者さんの診療情報を使用してほしくない場合、その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または以下の照会先・連絡先までお申し出下さい。

【お問い合わせについて】

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
住 所:〒879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1-1
  電 話:097-586-6193
 担当者:大分大学医学部消化器内科学講座 
講師 沖本 忠義(おきもと ただよし)