屈折異常refractive error 〜近視・遠視・乱視〜 3・4班

発表日:平成13年7月13日

目次

@イントロダクション 〜屈折系の解剖〜    (石川崇広211009)

A屈折系の組織                           (石飛佳宣211011)

B屈折系と調節                           (岩崎達也211014)

C屈折異常と発達                         (浦田真紀211016)

D近視 myopia                            (今村若菜211013)

E遠視 hyperopia                         (岩下直樹211015)

F乱視 astigmatism                       (石田千鶴211010)

Gコンタクトレンズ使用と角膜内皮細胞     (泉  美樹211012)

 

@イントロダクション 〜屈折系の解剖〜 (石川崇広211009)

私たちは以前、日本の高校生の過半数が近視であるというニュースを聞き、近視のついて興味を持った。近視は屈折異常の一つである。私たちは遠視・近視についてもあわせて調べた。

 

 眼球の構造のうち屈折異常に関係している部分は、角膜・虹彩・水晶体・網膜の4箇所である。

 角膜は外膜の前1/6を占める部分である。強膜に比べるとさらに湾曲の強い球面であり、前方に凸隆している。角膜には血管がなく、そのため透明であり、光線が通過することができる。なお栄養は、眼房水によって供給されている。角膜はカメラに例えると、入射光線を屈折させる対物レンズの働きをしている。

虹彩は、毛様体の前方に続く部分である。全体として薄い円盤状を呈し、中央に瞳孔が見られる。虹彩は一般に褐色である。

また虹彩には、平滑筋でできる瞳孔括約筋と瞳孔散大筋とがある。虹彩はこれらの筋の働きにより瞳孔を縮小・散大して、眼球に入射する光線量を調節する。カメラに例えると、虹彩は絞りの働きをしている。

水晶体は瞳孔の後ろにある、直径約10mmの両凸レンズ状の構造をしている構造物である。水晶体も角膜と同じく血管がなく、透明である。栄養は眼房水によって供給されている。

水晶体は水晶体質からなり、水晶体包に包まれている。

 水晶体質は表層部の水晶体皮質と内部の水晶体核とからなっている。水晶体皮質は大量の水分を含み軟らかく、弾性に富んでいる。水晶体核は小児にはないが、ほぼ25歳で現れ、その後次第に硬くなる。

 水晶体は近いところを見る時には厚く、より湾曲の強い凸レンズとなり、遠方を見る時には薄く扁平になる。このように水晶体は屈折力を変化させて、網膜に鮮明な像が結ばれるように調節される。(注:この機能は眼の調節系の働きであり、今回の発表内容である屈折異常に直接関係はない。)このような遠近調節、すなわち水晶体の厚さの変化は、水晶体の弾性と毛様体筋とによって行われている。カメラに例えるならば、水晶体はレンズ兼ピント合わせの器官といえる。

最後に網膜について。網膜は、脈絡膜の内側に存在する薄膜である。網膜は網膜視部と網膜盲部とに分類される。光を感じる部分は網膜視部であり、そこに存在している光受容細胞(視細胞)が光を感受し、それを視神経に伝える。カメラに例えるならば、網膜はカメラのフィルムにあたる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A屈折系の組織                         (石飛佳宣211011)

屈折に関わる、4つの透明な組織について

 角膜 は、上皮、前境界板、角膜固有質、後境界板、内皮の5層に分けられる。角膜上皮は重層偏平上皮で、細胞内小器官は少なく、互いの細胞はデスモゾームでくっついている。知覚神経の自由終末もある。前境界板は細胞を含まない薄い層で、上皮との間に基底膜がある。固有質は膠原線維と線維芽細胞である角膜細胞からなる。線維で出来た層板はほぼ直交している。膠原線維の規則正しい配列は、角膜が透明であることと関係が深いと考えられている。後境界板も、膠原フィラメントが作る規則正しい格子模様がみられる。均質な基底膜を内皮側にもつ。内皮は比較的ミトコンドリアが豊富な単層偏平上皮で、角膜の透明性には、内皮の活発な生理機能が重要である。角膜の光が通る中心部には血管がない。

 水晶体 は、水晶体上皮と、水晶体線維、水晶体胞からなる。水晶体にも血管がない。水晶体上皮は、単層立方上皮で、細胞質は均質で、細胞内小器官は極めて乏しい。上皮が水晶体の赤道部に近づくと、細胞の高さが高くなり、クリスタリンを含む水晶体線維に移行する(『伊藤隆、組織学315ページ』)。水晶体線維は、上皮よりも細胞内小器官が非常に少なく、内がわに行くにつれ、核は消失し、細胞の境界もはっきりしなくなる。となりあう水晶体線維は、ギャップ結合で結ばれ、規則正しく配列して、これが水晶体の透明性と深い関わりがあるとされる。水晶体胞は弾性のある基底膜で、チン小体は赤道付近に結合する。水や電解質、非電解質を通過させることができる膜である。

 眼房水 は、大部分が水分の透明の液体である。毛様体上皮細胞で産生される。成分の一部は血漿に似ているが、たんぱく量は、血漿7%に対して、眼房水は0.02%と微量である。眼房水が水晶体にグルコースを与える役目がある。

 硝子体 は、透明なゼリー状で、細胞成分は極めて乏しい。膠原線維とヒアルロン酸は量的には少ないが、硝子体の粘性や弾性は、これらが作る立体的な網目構造に由来する。アスコルビン酸は、水晶体にも多く含まれるが、非常に多いという生理的意義は明確ではない。(一般にアスコルビン酸にはコラゲン安定化作用がある。『伊藤隆、組織学75ページ』)

 

眼房水…水様透明の液体

                        水98.8%、蛋白0.02%

その他…無機質、ヒアルロン酸、アスコルビン酸など

 

硝子体…透明なゼリー状

99%、粘弾性(U型の膠原線維とヒアルロン酸)

その他…無機質、アスコルビン酸など


 


B屈折系と調節                         (岩崎達也211014)

眼の屈折系について

 

眼をカメラと比較した時、カメラのレンズにあたるものが眼では角膜と水晶体になり、この2つをあわせて眼の屈折系という。そして、カメラのレンズ前面からフィルムまでの長さは、眼では角膜頂点から網膜までの距離に相当していて、この長さを眼軸長axial lemgthと言い、成人の平均が約24mmと言われる。

 

平行光線が無調節状態の目に入った時、眼の屈折系で光が屈折し、網膜上にしっかり焦点を結ぶものを正視という。成長に伴ってこの正視眼の眼軸長は変化し、先ほど眼軸長は成人で24mmと述べたが、実際は23〜26mm位の変動幅がある。

 

この変動幅をカバーしているのが目の屈折系であり、屈折系を構成する2つの構造物である角膜と水晶体の屈折力により、補正されて、正視状態が保たれている。角膜の屈折力が屈折系の全屈折力の3分の2、水晶体の屈折力が残りの3分の1を占めているが、角膜の屈折力は、異常がない限りほぼ一定の力を保っているため、屈折系の異常や調節は水晶体の屈折力の変化によるものである。

 

つまり、正視とは、角膜屈折力、水晶体屈折力の2つを合わせた屈折力と眼軸長のバランスが保たれて、平行光線の焦点がちょうど網膜上に結ばれている状態だが、これらのバランスが崩れて平行光線の焦点が網膜上に結べなくなった時に屈折異常となる。この屈折異常は、大きく、近視遠視乱視3種類に分類される。

 

眼の屈折力は普通、眼から遠点までの距離をジオプトリーで表した数値で、アルファベットのDで表す。ジオプトリーは、臨床的にはメートルの逆数とされていて、眼から前方に向かう距離をマイナス、後方に向かう距離をプラスとする原則に従って、±の符号がつけられる。遠点とは無調節状態の眼で、網膜の中心窩に像を結ぶ外界の点のことである。記述だけでは理解しにくいゆえ、近視、遠視を例に取り眼の屈折力について述べる。

 

 まず、正視は先述したように、無調節状態で無限遠の物体から来る平行光線がちょうど網膜中心窩に像を結ぶ状態なので遠点は無限遠になる。

 

近視とは無調節状態で無限遠の物体から来る平行光線が、網膜より前で像を結んでしまう状態のことである。物体から来る光を網膜中心窩に結像させるためには物体をぐっと近づける必要があり、眼の前方aメートルでちょうど網膜中心窩に結像したとすると遠点は目の前方aメートルのところになる。よってこの眼の屈折力をジオプトリーで表すと−1/aDと表せられる。

 

 逆に遠視とは無調節状態で無限遠の物体から来る平行光線が、網膜より後ろで像を結んでしまう状態である。遠視では遠点は眼の後方に位置する。眼から遠点までの距離が後方にaメートルだった時、この眼の屈折力をジオプトリーで表すと+1/aDと表せられる。

 

次に眼の調節Accommodationについて。

 

眼の調節を説明する前に物体と像の位置関係について述べる。

一般に、物体と像の位置関係は

結像公式1/a+1/b=1/f

に従う。(図2参照)

正常な眼に入ってきた光が網膜上に像を結んでいる時、水晶体から網膜までの距離がbになる。

このことをふまえると、

 

近くを見るとき(調節)

水晶体から網膜までの距離bは一定なので、結像公式に従って、aが小さくなると、fも小さくする必要があり、つまりレンズを厚くしなければならない。

実際に眼がどのように働いているかというと、まず、 毛様体筋のミューラー筋が収縮することによって毛様体突起は内方に移動する。すると毛様体と水晶体の間に張られたチン小帯が弛緩する。水晶体は自己の弾性力によって厚みを増し、水晶体の屈折力が増すので像が網膜上に結像する。

 

遠くを見るとき(調節なし)

bの距離は一定なので、結像公式に従ってaが大きくなると、fも大きする必要があり、レンズを薄くしなければならない。

実際に眼がどのように働いているかというと、毛様体筋は弛緩毛様態突起は外側に移動する。するとチン小帯は緊張し、水晶体は外側に引っ張られて薄くなり、水晶体の屈折力は弱くなるので像が網膜上に結像する。

 

眼の焦点(ピント)合わせは「毛様体筋」で行われている!

 

 

 私たちがものを見る時、「毛様体筋」と言う眼にある小さな筋肉を縮めたり緩めたりしながら、水晶体(レンズ)の厚みを変えて焦点(ピント)を合わせている。近方を見る時には「毛様体筋の輪状筋」が緊張して水晶体を厚くし、遠方を見る時には「毛様体筋の縦走筋」が緩んで水晶体は薄くなる。

これが眼の「遠近調節作用」と言われる。

 

 

 

 

 

 

近方視の水晶体変化図

水晶体が厚くなる

 

 

 

遠方視の水晶体変化図

水晶体が薄くなる

 

図1

 

2

 

△AOF2∽△Q’P’F2>

P'Q'/PQとP'Q'/OAは同じ・・・(←PQ=OAだから)
P'Q'/OAとF2P'/OF2は同じ・・・(←相似関係だから)
F2P'/OF2と(b-f)/fは同じ・・・(←点を表す記号で長さを示していたところを、長さを表す記号を使っただけだから当然)

実際に式にして並べてみると、

P'Q'/PQ=P'Q'/OA=F2P'/OF2=(b-f)/f・・・@

 

次に下側の図。
<△OPQ∽△OP’Q’>

こっちは簡単。

P'Q'/PQ=b/a・・・A


@、Aから、

(b-f)/f=b/a


この式を整理すると・・・

/a+1/b=1/f

 

C屈折異常と発達                 (浦田真紀211016)

屈折異常と発達  成長に伴う屈折の変化について

はじめに

 屈折異常は、屈折要素のうち主として角膜屈折力、水晶体屈折力と眼軸長の不均衡によって生じる。新生児が生後すぐにものを見る力がないことからもわかるように、視力は発達していく。角膜の成長はほぼ5歳で完成するが、眼軸長の成長は1315歳まで続く。また、水晶体屈折力は眼軸長が延長するに従って減少し、バランスを保っているため、屈折度に大きな変化はない。このような眼の形態的発育とともに視力、両眼視機能などの機能的発達があり、この機能的発達が眼にはとても重要なものである。

成長に伴う屈折の変化

 眼軸長(眼の前後径)は、新生児では約17mm、成人では約24mm。約8mm延長することになるが、前述のように、水晶体屈折力が減少し、バランスを保っている。このバランスがくずれると屈折異常が起こる。

 屈折度の年齢的変化を見ると、幼児では遠視側にある。小学校入学ごろにはほとんどが正視であり、中学、高校になると、正視がほとんどだが、成長に伴って近視の人も現れはじめる。これが学校近視と呼ばれるものである。また、老年期になると、屈折度は遠視側に移行する傾向がある。

屈折異常と弱視

視機能中で最も大切な視力の発達は56歳で完成するといわれている。視力の発達には、眼の発育期に適切な刺激が網膜の中心窩に与えられなければならない。この適切な刺激が与えられないと、視力の発達が止まってしまう。このようにして視力の発達障害が起きると弱視になる。

弱視には、屈折異常によるもの、視性刺激遮断によるもの、斜視によるものがある。例えば幼少期に眼帯などで眼を遮蔽することによって起きる弱視は、視性刺激遮断によるものである。ここでは屈折異常、つまり、近視・遠視・乱視に関連する視力発達障害について述べる。

 屈折異常による視力発達障害には、屈折性弱視と不同視弱視がある。屈折性弱視は屈折異常のために、視覚発達に刺激が必要な時期に、網膜に刺激が与えられないことから、視覚発達が妨げられて起こる。遠視や乱視でなりやすく、近視は近くのものにはピントがあうために起こりにくいが、強度の近視では弱視になることがある。

ここで、屈折異常と矯正視力との関係についての研究を紹介する。これは、屈折度別に矯正視力0.7以下を弱視と考え、その頻度を見たものである。結果、正視の群ほど弱視の頻度は低く、近視、遠視の群ほどその頻度は高くなる傾向があった。また、近視や遠視では、年少の群ほど弱視の頻度が急激に上昇した。つまり、屈折異常が矯正視力(弱視)に及ぼす影響は大きく、また、低年齢者ほどその傾向が強いことが分かった。したがって、低年齢者の屈折異常には注意を要する事が明らかとなった。

 また、不同視性弱視は、左右の屈折状態(近視、遠視、乱視)の程度に差があるために、片方の目を使うことから、使わないほうの目の発達が妨げられ、弱視が発症するというものである。これも遠視や乱視の場合に発症しやすく、不同視性弱視の約97%を占める。屈折性弱視と同様に近視ではなりにくいが、片眼強度近視ではしばしば弱視となる。

 これらの弱視の予防は、早期発見、早期治療である。3歳児検診などの視力検査が行われている地域もあり、早期発見をし、適切なめがねをかけさせて、網膜に適切な刺激を与えることが必要である。弱視が治るのは、6歳頃といわれているので、なるべく早く治療をする必要がある。

 

D近視 myopia                          (今村若菜211013)

近視について

<近視の概念>

 水晶体が無調節状態、つまり水晶体が最も薄くなっているとき、正視では無限遠からくる平行光束が網膜上に結像する。ところが、近視では無限遠からくる平行光束が網膜上に結像せずに眼内に結像する。そのために、遠方の視力が悪くなったものである。

<近視の種類>

 近視の分類にはいくつかあるが、ここでは大きく2種類に分類する。ひとつは屈折性近視、もうひとつは軸性近視である。

 屈折性近視:角膜とレンズの曲率半径の変化によるもので、曲率半径が小さくなったため、つまり、角膜や水晶体のカーブがきつくなったために屈折力が強くなり、光が眼内で像を結ぶものである。しかし、角膜表面の変化による屈折性近視は乱視として現れることが多く、極めて稀で、水晶体の曲率半径の変化による屈折性近視が多い。

 軸性近視:角膜の中央部と網膜後方の中央部を結ぶ線を眼軸と呼ぶのだが、軸性近視はこの眼軸の延長が主因である。つまり眼球が後方に拡張し眼軸長が異常に長いので、光が網膜上に結像せずに眼内に結像するのである。この軸性近視は遺伝的要素が極めて強いといわれている。

<症状>

 近方視力はよいが、遠方視力低下が主症状である。また、頭痛、充血、肩凝りといったような症状を示す眼精疲労を起こしやすい。

<矯正・治療>

 近視の矯正としては眼鏡・コンタクト、治療としては近視手術がある。

 眼鏡:光線束を発散させる凹レンズを用いて、屈折力を弱めて網膜上に焦点を合わせる。

 コンタクトレンズ:凹レンズを用いる。ハードコンタクトレンズ、酸素透過性ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズがある。

 最新の治療

 LASIKlaser in site keratomileusis):カンナのようなマイクロケラト−ムで角膜表層をフラップ状に切開し、角膜実質層に直接エキシマレーザーを照射する術式。

 

E遠視 hyperopia                      (岩下直樹211015)

遠視(hyperopia

 遠視は、調節を行っていない状態で、目に入ってくる光線が網膜の後ろに像を結ぶ状態である。遠視は、遠くがよく見えると思われているが、実は、遠くも近くも見にくい状態である。この理由は、遠点がそもそも存在しないからである。遠視は、主に以下の屈折性遠視と軸性遠視に分けられる。

 

・分類

屈折性遠視     軸性遠視

屈折性遠視           軸性遠視

  ピントが網膜の後方で結ばれていることに注意

 

屈折性遠視…主に、水晶体の屈折率が弱いため、本来は網膜で合う焦点が網膜よりも後ろ       

      で結ばれてしまう。その結果、焦点の合わない光が網膜に届き、ぼやけ

      て見えてしまう。

軸性遠視…眼軸が短いために起こる。そのため、目に入る光を屈折させる値からが正

     常だとしても、眼軸が短いと、網膜は本来あるべきところよりも手前になって 

     しまう。つまり、焦点は網膜よりも後ろで結ばれることになり、屈折性遠 

     視と同じようにぼやけて見えてしまう。

 

屈折性と軸性を比較すると、軸性のほうがはるかに数は多い。

 

・矯正法

凸レンズの眼鏡やコンタクトをつける。

 遠視眼鏡凸レンズにより水晶体の屈折力を補い網膜にピントを合わせる。

・治療法

 PRKPhotorefractive Radial Keratectomy :レーザー角膜矯正手術)

  エキシマレーザーにより角膜表面を薄く削ることにより、角膜の屈折面を変える。

 

老眼(presbyopia

 目は、毛様体が水晶体の厚さを調節することにより、焦点の位置を変えていく。しかし、加齢により、毛様体の機能が衰え、水晶体自体の弾性力もなくなっていくことによって、ピントが合わせられなくなる。そして、近くが見えにくくなっていく。これが、老眼の状態である。老眼は、45歳ぐらいから進行し、65歳ぐらいで進行は止まる。

 

F乱視 astigmatism                     (石田千鶴211010)

乱視 astigmatism

<乱視の症状>

・遠いところも近いところも見えにくい

片眼で見たとき、1つのものが2つに見えることがある。

乱視表を見ると、方向によって濃淡がある。

・眼精疲労 (調節の努力のため眼が疲れる → 調節性眼精疲労)

 

<乱視の原因>

 乱視を生じさせる主なものは、角膜表面と水晶体である。とくに角膜表面は空気と接するために、その屈折力は最も強く、影響が大きい。

 

<乱視の定義> レジメNo.2 右上参照

 

<乱視の分類> レジメNo.2 F参照

(1)   正乱視:屈折面の対称的歪みにより生じ、その経線によって屈折力が異なる状態。

   ・主経線・・・正乱視には、屈折力の最も強い経線と最も弱い経線がある。

      屈折力の最も強い経線・・・強主経線

      屈折力の最も弱い経線・・・弱主経線

  強主経線と弱主経線は互いに直交する

・焦線 ・・・強弱各主経線ごとに集光する位置

   強主経線の焦線・・・前焦線

   弱主経線の焦線・・・後焦線

  前焦線と後焦線の間の距離(=焦域、Sturm間隔)の大小が乱視の度の強さを示す。

・最小錯乱円・・・前焦線と後焦線との光学的中心点で、各経線の集光によって作られる円が最小になる位置

 

正乱視は以下のタイプに分類できる

直乱視:垂直の主経線の屈折力が水平主経線の屈折力より強い乱視。正乱視の90%

      ・倒乱視:水平主経線の屈折力が垂直主経線の屈折力より強い乱視。

斜乱視:2つの主経線が斜めの方向で直交している乱視。

 

(2)   不正乱視:同じ経線上でさえも、屈折面が平滑でなく不規則で、角膜や水晶体の疾患(角膜片雲、円錐角膜、円錐水晶体など)を合併しているときに起こる。

 

 

<乱視の治療(矯正)> レジメNo.2 右上参照

補足:円柱レンズは円柱を縦に切り取った形のレンズで縦軸方向の屈折力は0であり、これに直角の方向には屈折力がある。よって、その屈折状態に応じた円柱レンズを乱視の軸方向に一致して挿入すれば、両主経線の屈折力の差が0となって、像を網膜上に鮮鋭に結像することができる。

 

Gコンタクトレンズ使用と角膜内皮細胞  (泉  美樹211012)

角膜上皮―細胞分裂、角膜内皮―酸素不足、再生能低い

 コンタクトを使用していて、トラブルで最も多いのは角膜上皮の障害であるが、角膜上皮は盛んに細胞分裂していて、コンタクトの使用を一時中止すれば、すぐに治るので、ここでは、再生能の低い角膜内皮の酸素不足によって起こる障害について。

角膜内皮の生理機能―角膜の透明性の維持  

 まず、角膜内皮の生理機能について

角膜内皮の生理機能は、角膜の透明性の維持である。

では、具体的に何をしているかというと

前眼房側からの水と高分子物質の角膜実質内への侵入に対するバリア機能

実質内水分の前眼房側への汲み出しを行うポンプ機能である。

再生能が低い、代償

 ヒトの角膜では、内皮細胞の細胞分裂による細胞数増加をともなった増殖能はほとんどない。

  したがって、内皮細胞が損傷されると、隣接する細胞の拡大と伸展および、損傷部への移動により、修復され、細胞形態が変化する。

正常〜10倍 → OK!、10倍〜 → 代償不全

 内皮細胞は、正常状態から約10倍までの面積変化までは、角膜の透明性を維持できるが、その限度をこえると、代償不全となり、眼房水が角膜実質内に侵入し、実質は含水量を増し、厚くなり、浮腫状となる。この状態を水疱性角膜症といい、著しく視力が低下する。

解決策

では、どうすればよいのかというと、

酸素透過性の高いコンタクトレンズを選ぶ

コンタクトの使用時間を守る

 

参考:    解剖学講義(南山堂)1999              新臨床眼科全書(金原出版)1993

グラント解剖学図譜(南山堂)1986      診療眼科学 診断編(金原出版)1986

          分担 解剖学(金原出版)2000           眼の発達と加齢(金原出版)1989

標準組織学 各論(医学書院)1999       屈折異常(金原出版)

          現代の眼科学(金原出版)1995          www.megane-renmei.gr.jp

標準眼科学 (医学書院)2001           角膜クリニック(医学書院)1990

          日本人体解剖学(南山堂)2000          角膜診療の実際(医学書院)1984

          屈折異常とその矯正(金原出版)2版     屈折異常と眼鏡(金原出版)3版 1993

          臨床眼科 増刊号(2000)54巻11号      眼の生理・生化学(廣川)1987

          眼科MOOK 角膜 -新しい知見-(金原出版)1993

          診療眼科学 診断編(金原出版)1986                       

          コンタクトレンズ処方マニュアル(南山堂)1992             その他