内視鏡および内視鏡外科肥満治療法に関する三学会合同委員会合意事項
(平成17年11月9日制定、平成17年12月9日修正、平成18年8月1日再修正、平成19年11月再修正)

従来より高度の肥満症に対して開腹外科手術が行われており、国内外で一定の成果があげられてきた。最近になり、より低侵襲な治療手段として、内視鏡および内視鏡外科肥満治療法が開発され、海外では広く行われている。我国の肥満治療にこれらの治療法を安全に導入するためには、治療手技と適応基準について十分な検討が必要であることを踏まえ,日本肥満学会、日本消化器内視鏡学会、日本内視鏡外科学会は以下の合意に達した。

注)内視鏡および内視鏡外科肥満治療とは、具体的には内視鏡的胃内バルーン留置術および腹腔鏡下胃バンディング術を指す。

我国への内視鏡的胃内バルーン留置術および腹腔鏡下胃バンディング術の導入における見解

1) 両治療に用いられる医療器具はともに薬事未承認で、その手技に関しても社会保険診療項目に未収載の新たな治療法である。したがって特定機能病院など各科専門医師の連携が可能な施設で倫理委員会の承認のもとに本手技の臨床的導入を図る。

2) 両治療の適応指針については日本肥満学会が提案し、当合同委員会において検討する。

内視鏡および内視鏡外科肥満治療法の適応指針

適応基準

日本肥満学会基準の肥満3度以上(BMI≧35)の高度の肥満症で、肥満に起因する健康障害のため、日常生活に著しい障害を生じており、内科的治療により合併する健康障害の改善に効果的な減量の維持が困難な症例であり、内視鏡および内視鏡外科肥満治療の有効性および優位性が予測できる症例。

注1)

内視鏡および内視鏡外科肥満治療は具体的には内視鏡的胃内バルーン留置術および腹腔鏡下胃バンディング術を指す。

注2)

内科的減量治療期間は1年以上を目安とするが、合併する健康障害によっては、1年を経ていなくてもよい。

注3)

治療可能な二次性肥満が除外できていること。

注4)

原則として精神疾患の存在する症例は適応から除外する。

注5)

原則として年齢は20歳以上60歳未満を対象とする。

個別症例の適応について

個々の適応については、本指針に基づいて日本肥満学会認定肥満症専門病院で肥満症治療に従事する医師の意見を求め、実施施設はその意見を参考に責任を持って治療を実施する。なお、実施施設は各施設の倫理委員会等の審査機関で承認を得るものとする。

追記

日本肥満学会基準の肥満2度(35>BMI≧30)の肥満症で肥満に起因する重篤な健康障害のため、日常生活に著しい障害を生じており、内科的治療によりその健康障害の改善に効果的な減量の維持が困難な症例については、本治療法の低侵襲性に鑑み、その安全性が確認された将来の時点で適応指針を定める。

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