医学教育および医療改革の嵐が地方大学、地域病院を直撃し、研修医や若手医師の都市部への流出と大学病院への医師の引き揚げは地域病院の医師不足を生じ、引いては医療スタッフの過重労働と医療事故リスクの増大を招き、疲弊した若手、中堅医師はいわゆる立ち去り型サボタージュと呼ばれる開業に走るなど、ついに日本の医療は崩壊への道をたどり始めています。また古来より日本人の道徳規範として伝わる、世界に誇るべき武士道が医療の現場でも忘れ去られつつあります。 我々の教室は、呼吸器外科、食道外科、乳腺外科のいわゆる一般胸部外科分野の教育、研究、診療を担当し、11名の数少ないスタッフで、この嵐を乗り切るべく孤軍奮闘しています。
学生、初期臨床研修医の教育はクリニカルクラークシップに則り、各々に1名のスタッフを指導医として配置し、マンツーマン方式で行っています。研究面では、肺癌、食道癌、乳癌の遺伝子学的、分子生物学的研究を中心に、一方で内視鏡手術を主体に低侵襲手術の開発も手がけています。 また診療面では、私が2003年に赴任して以来、呼吸器、食道の内視鏡手術を、完全モニター視で行うなど、世界でも屈指の内視鏡手術の施設となり、大分はもとより近隣の県からも患者さんが受診するようになりました。手術の見学や、海外からの短期研修も少なくありません。
さらに、2007年度から県の遠隔医療事業計画に参画し、光ファイバーによる高画質・画像転送装置を用いた地域手術支援システムを、OLYMPUS、SONYと共同開発し、医師不足に悩む地域医療の再生に積極的に取り組んでいます。
少ないスタッフでも、最良の医学教育、研究、医療効果を上げるべく、今後とも地道な努力を続けていく所存です。 |