1.研究目標
(1)形容詞・副詞等の反意性に関する研究
(2)外界截分における言語の影響に関する研究
(3)干渉を受けて意味を逸脱した日本語の用法に関する研究
(4)教科教育法の改善
2.現状の点検
(1)代表原著論文10編
平成9年度 (1997)
『ドイツ語正書ガイドブック』 三修社 共著 ISBN 4-384-00560-1
平成11年度 (1999)
『アクセス独和辞典』三修社
平成12年度 (2000)
「ドイツ語教材自主製作論」中村 哲夫 『ドイツ語情報処理研究 11』
2000.6.09. 日本ドイツ語情報処理研究会
2001. 2. 23. 『ラウル・ワレンバーグ』翻訳書(共訳)
ISBN 4-7503-1354-8 明石書店
インパクトファクターはなし
(2)講座で出版した原著論文数とインパクトファクター合計
なし
(3)科学研究費補助金及び民間の公募制による研究補助金等の獲得状況
なし
3.現状の評価
研究目標、日独対照文法の観点から「形容詞・副詞等の対意・反意語の研究」では意味素性を考えたデータの蓄積により、新しい知見が得られつつあり、それは主として、「独和辞典執筆」に、即 応用され、社会的還元が図られている。
外界截分による言語の影響は、知られた例も多い(例、アラビア語では、「馬」相当語彙が多い、イヌイット語では「雪」のそれが多い、それは、必要に迫られた下位分類であるが、文化的観点からの「影響」の題材を調べていて、継続中。
教科教育法の改善については、インターネットの功罪をも視界にいれて、諸種試行錯誤を繰り返している。
4.将来の改善改革に向けた方策
本学が、医科大学であることから、知識・技術の習得が専門化して行われる以前の第一修学期の責務の一つとして、真の意味での「教養」を身につけること、また、人格の陶冶に努めること、等において、学生への働き掛けが必要と思われる。最近は、医師・看護婦等、医療人の犯罪も多いのだが、単に「個々人のレベルの現象」ではなく、あるいは過度の「競争社会・受験勉強世代」を通して、「原体験の少なさ」、「他の痛みを知る心の欠如」「法遵守の習慣の欠如」等、基本的な処で、不足していることも多いのではないか、と考えている。環境がどう変わろうとも、カリキュラムがどう変化・発展させられようとも、医療職を目指す学生諸君達は、(他の学問領域でも、根本的には、同じなのであるが、その責任の重さ、影響の多きさを勘案すると、特にそうあらねばならぬ)まず、人間らしい人間であって欲しいと、大学構成員の一人としても念願している。
その意味において、日本文化・異文化、ドイツ語圏の事情、日本のそれとを、授業を通して学生にアピールし、関連知識を涵養させしめると共に、良き人間であり得るように、指導したい。
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