1.研究目標

 (1)STR型判定による親子鑑定

 (2)STR型判定による個人識別

 (3)STR型判定による移植骨髄片の生着判定

 (4)WT1遺伝子発現の定量による白血病微少残存腫瘍細胞の検出

2.現状の点検

 (1)代表原著論文10編

Wang W, Okazaki K, Kishida T, Fukuda M, Tamaki Y: Subtyping of D20S85 STR alleles by single-strand conformation polymorphism (SSCP) analysis, Forens Sci Int, 86, 187-192, 1997

Kishida T, Wang W, Fukuda M, Tamaki Y: Duplex PCR of the Y-27H39 and HPRT loci with reference to Japanese population data on the HPRT locus,  Jpn J Legal Med, 51, 67-69, 1997

Kishida T, Tamaki Y:  Japanese population data on X-chromosomal STR locus AR, Jpn J Legal Med, 51, 376-379, 1997

Kishida T, Tamaki Y: Determination of sibship by microsatellite typing in a deficiency case of disputed maternity: further study, Jpn J Legal Med, 51, 430-432, 1997

Kage S, Ito S, Kishida T, Kudo K, Ikeda N: A fatal case of hydrogen sulfide poisoning in a geothermal power plant, J Forensic Sci, 43, 908-910, 1998

 (2)講座で出版した原著論文数とインパクトファクター合計

   平成 9年度 (4, 1.394)

   平成10年度 (1, 0.990)

   平成11年度 (0, 0)

   平成12年度 (0, 0)

 (3)平成9〜12年度科学研究費補助金の獲得状況

   平成9〜10年度

   岸田哲子・福田昌子

   基盤研究 (C) In situ PCRによるHLA-DQα型判定

   平成9〜10年度

   福田昌子・岸田哲子

   基盤研究 (C) マイクロサテライト多型分析の問題点とその実用的解決法

   ―PCR-SSCP法およびDGGE法によるマイクロサテライト多型の検出

3.現状の評価

 STR型判定による親子鑑定および個人識別をルーチンに行っており、平成3年度来,本学第二内科,県立病院血液内科およびアルメイダ病院の依頼を受け、移植骨髄片の生着判定数十例を行ってきた。

 平成11年度からは,本学第二内科および県立病院血液内科の依頼で,白血病患者の骨髄および末梢血のWT1遺伝子発現を半定量的に調べている。より正確な結果を得るためリアルタイムPCRの導入を検討しているが、予定が遅れている。

4.将来の改善改革に向けた方策

 WT1遺伝子発現の定量にはリアルタイムPCRが必須である。しかし、現在の講座の人員(教授1,技官2)では、教育と実務に追われて研究に十分な時間がとれない。平成14年度に助手(本学平成13年卒業、第二内科で研修中)を採用する予定であり、第二内科および輸血部との交流をさらに深めて、リアルタイムPCRによるWT1遺伝子発現の定量を実現したい。

法医学