1.研究目標

 (1)放射性同位元素の医学利用の推進・支援

 (2)放射線の知識啓蒙活動

 (3)放射線の安全取扱の周知徹底,教育訓練

 (4)放射線被曝の低減

 (5)放射線に関する情報収集

2.現状の点検

 (1)代表原著論文10編

   なし 

 (2)科学研究補助金及び民間の公募制による研究補助金等の獲得状況

   なし

3.現状の評価

 (1)RI実験施設において、平成9年度から平成12年度の4年間の利用状況を調査した。その間は

   顕著な傾向・変動は見られなかった。

    過半数の33から34講座等に利用され、月平均70から95名が管理区域に立入った。年間の立

   入時間の合計は4500から6500時間、年間の立入件数は10000から13000件であった。

    放射性同位元素の購入状況については、年度によって研究者及び研究課題等の変化に伴って、受

   入件数は120から174件、総放射能量は2.5から3.7GBqで、若干変動があった。

 (2)平成12年度に放射線関係法令が改正公布され、平成13年4月1日に施行された。

   これらの法令改正に伴い、種々の変更、再評価、見直し、変更承認申請、変更届等が生じた。

   平成13年4月1日に、新法令に従って「放射線障害予防規程」を全面改正、実施した。

 (3)放射性同位元素等の変更承認申請書について、放射線施設の遮蔽計算、管理区域内の空気中の放

   射性同位元素の濃度の再計算、排気口の放射性同位元素の濃度並びに排水口の放射性同位元素の濃

   度の再計算。これら全てについて、使用核種の見直し、使用数量の変更等によって新法令に定めら

   れた限度等を満たさなければならない。

    同時に放射性有機廃液焼却装置のダイオキシン対策等の設備追加、使用のための変更申請。

    変更承認申請に併せて、放射性同位元素等の使用承認証の記載事項の変更届。

 (4)最も利用されているバイオイメージングアナライザーの老朽化、保障修理期限が迫り、更新を余

   儀なくされている。

 (5)本学医学部において、カリキュラムの都合でRI実験施設を使用する学生実習は平成10年度ま

   で全く行われなかった。平成11年度から昼休みの前後を利用して30分間の管理区域内の見学実

   習がはじめられた。今年度は1時間の実習を見込んでいる。

    また、平成12年度には、吉岡施設長の要請により、放射性同位元素の利用について90分間の

   講義に協力した。

 (6)地域社会への貢献として、平成10年から毎週土曜日に日本文理大学附属NBUメディカルカレ

  ッジへ放射線管理学の講義及び実習の非常勤講師を派遣している。

   平成7年度、九電からの要請で、放射線に関して大分市、日田市にて講演した。

 (7)放射線取扱主任者部会

    平成6年度から広報委員会委員

    平成10年度から九州支部委員会委員

 (8)十数年前に米軍放出品の「放射性コンパス」事件の際、大分県警が回収した放射性コンパスを科

   学技術庁の承諾を得て、1ヶ月余りの期間、一時保管し、協力した。

 (9)公安委員会からは、大量の放射性同位元素を装備した密封放射性線源が大分県下を通過する時、

   万一の事態に備える協力要請があった。

(10)米ソ冷戦時に打ち上げられた原子力衛星の再突入に際して、科学技術庁他の関係機関から、万一

   の際の協力要請があった。

(11)平成9年春には、鶴見町の日本水産(株)研究所から、トラフグの雄性化実験の協力打診があり

   ました。この時は、検討した結果、本学のガンマ線照射装置の出力が小さすぎることが判明し、高

   出力装置の照射が可能なところを紹介するに留まりました。

(12)平成12年10月末に、当時の科学技術庁からの要請により、吉岡施設長の指導の基づき、大分

   市で開催された「第19回放射性廃棄物シンポジウム」のパネラーの一人として参加した。その状

   況は部科学省のホームページ参照。

   http://www.mext.go.jp/b_menu/kensaku/index.htm

4.将来の改善改革に向けた方策

 (1)現状のRI実験施設が新法令の施設基準を満足できるかどうか再検討しなければならない。基準

   を満たすことができない場合は、使用数量等を見なおしたり、遮蔽を設けたりして基準を達成しな

   ければならない。平成15年3月31日までに見直し、変更申請を行い、必要な措置を全て完了し

   なければならない。(告示(放射線を放出する同位元素等を定める件)第27条)

    平成15年4月1日から適用。

 (2)放射性有機廃液焼却装置にダイオキシン等を浄化するためのPRE+HEPAフィルターユニット、並

   びに排気中の放射性同位元素の濃度を測定するモニター+レコーダーを追加設置する。放射性有機

   廃液焼却装置の変更承認申請を行う。変更承認後、法定の施設検査を受けなければならない。

 (3)研究に支障をきたさないためにRI実験施設で最も使用されているバイオイメージングアナライ

   ザーの更新を行う。

 (4)RI実験施設をよりいっそう活用していただけるようにする。

 (5)RI実験施設を利用して学生の見学及び実習を行う。

 (6)大分医科大学医学部、及び附属病院の放射線業務従事者の教育訓練・講習会を充実する。

 (7)県内の放射線に関する大学、学校、病院、企業等と共同研究、情報交換を行う。

 (8)放射線に関する正しい知識の普及、啓蒙活動、並びに地域社会への貢献、大分県、公安委員会、

   警察、等への協力を推進する。

RI実験施設