Y 教育の質の向上及び改善のためのシステム
1.医学科における現状・評価・改善の方策等
(1)現状の点検
平成12年度より、教官の教育へのモチベーションを高め、教育の質の向上を目指して教育評価委員会を立ち上げた。その活動の中では、まず、全学共通の学生による授業評価を開始し、現在1年間の試行期間にある。この評価は、学生の氏名は無記名で行い、その結果は教官個人にフィードバック、授業の改善に利用している。次に、教官の教育業績評価項目についても教授会の了承が得られ、教官の研究費配分などに反映させることにより、学生の教育へ向けての教官の意識改革が図られている。
教育カリキュラム改善のシステムとしては、第一期の教養・基礎教育の期間では、学外からの非常勤講師と一般教育等の本学専任の教官との懇談会を定期的に開催し、教育内容及びカリキュラム改善に役立てている。また、平成13年秋から開始される臓器別、機能別の統合型チュートリアル教育の各コースの責任者あるいは協力者には、必ずカリキュラム委員が加わるシステムを構築し、問題点をいち早く抽出し、次年度の改善に資するようにした。教職員の教育能力開発については、チュートリアル教育のチューター育成に向けて、学内あるいは近くの保養施設を利用して、数回にわたり教育ワークショップを開催したり、学外の医学教育財団などが主催するワークショップや、チュートリアル先進大学への体験実習などに多くの教職員を派遣してきた。
学生による授業評価は、その妥当性や信頼性が問題になるが、現在、教育評価委員会で授業評価の一部の科目を使って評価の詳細な解析を続け、その結果を教授会に報告することにより、学生の授業評価の信頼性等について教授会の納得が得られつつある。教官の教育業績評価やカリキュラム改善のシステムも、実際にはこれから動き始めるので、まだその評価は得られていない。
学生による授業評価は、現在、通常の授業についての評価であり、臨床実習や近く開始されるチュートリアル教育の授業評価はこれからである。これらについては現在、その評価項目を策定中であり、近く決定され直ちに実施される予定である。今後、学生による評価の信頼性が多くの教官に支持されれば、その結果を学生達に公表することも考えている。