Z そ の 他
1.地域社会との連携・交流
これまで大学においては、教官の研究と学生の教育が最大の社会への貢献とみなされてきた。しかし、急速に発展・変化する現代社会にあっては、大学そのものが広く社会に貢献する存在であることが求められるようになった。すなわち、大学の優れた知的資源や研究・教育施設をどのように利用するかが、問われているのである。とりわけ、生涯学習としての貢献は大学の社会貢献の中心となる事項となっており、その現状、課題、今後の方策を具体的にあげてみたい。
(1)医療・看護の専門性を通じての地域への貢献
臨床現場の医師、看護婦(士)及びコメディカル職への大学教育、科目等履修生、研究生の積極的受入と研究指導を行っている。また、医療従事者を対象とする各種研修会等における講師派遣についても積極的に応じている。医学科では、地域医師のための生涯学習の場を提供するために、月平均5〜6回の本学の各講座、診療科が各種研究会を主催、地区医師会には月数度の症例検討会に参加するなど、専門性に応じた指導を行っている。看護学科における地域活動の実施状況は、資料4・5のとおりであるが、その内訳は、生涯学習の提供、市民公開講座、地域の健康講座などの講演、また看護者教育、看護教育者に対する現任教育、研究指導、および学会や研修会の事務局などとなっている。
大学が主催する公開講座および学外団体等が開催する公演会や講習会に本学の教官が講師として協力し、社会人に対する医学・看護学等の知識の普及に努めている。
これまでのテーマは、資料6のとおりであるが、実施に当っては医学科、看護学科、一般教育それぞれの関連講座が協力して、全学体制で行われている。
一般社会人にも利用しやすいよう、図書館の入館・閲覧システムを検討し、学外者の図書館利用を積極的に図っている。その一環として地域へ広報を図って、研究機関からの閲覧希望者はもちろん、一般社会人が容易にアクセスできるような図書館の整備を目指している。とくに健康教育の観点から、附属病院との連携もふまえて、図書館を健康教育やセルフケアのための情報リソースとしている。しかし、市民の図書館利用者は現在は少数であるため、今後の資料充実や広報に改善する余地があると思われる。
また、図書館では、医学資料を常設の展示室などを整備して一般に公開し、医学史への関心を喚起している。これまで大分医科大学が収集に努めている医学史資料のうち、旧杵築藩の御典医であった佐野家から恵与された資料を「佐野家古文書」として2度にわたって展示会を開いており、常設展示への端緒としてこのような活動の充実を図っており、地域の歴史・文化への関心を喚起する契機としている。
(4)中・高校生への大学紹介、勉学動機づけのための大学開放事業の実施
高等学校関係者及び生徒を対象とした大学説明会及び施設案内を行っている。また、平成13年度には、大学等地域開放特別事業として、中学生を対象とした講座を開設する予定である。
本学の所在する挾間町では、例年「きちょくれ祭り」を開催している。この祭りには、本学が医療相談のコーナーを設けたり、ボランティアを派遣したりしており、大学の広報の機会ともなっている。