.看護学科の教育内容

(1)教養教育が看護学教育に連携した内容であるか

 看護学科のカリキュラムは、基礎科目、専門基礎科目、専門科目からなっており、前者2つが専門科目を支える位置付けとなっている。看護専門職として、今後、社会から期待される役割を担えるような人材の育成を目指し、カリキュラムの編成や教育方法を工夫している。

 カリキュラム全体としては基礎から専門へ、容易なことから難易なものへと進むように系統立てて組んでいる。また、一年次から専門科目や看護学実習を取り入れることで看護学への関心を高めると同時に、その基盤となる基礎科目や専門基礎科目も4年間を通じて学び、社会人としての広い視野を持ち続けるような工夫をしている。

 本校は開学当初より4年間で一貫した教育(統合カリキュラム)であったが、平成12年度からさらに基礎科目・専門基礎科目と専門科目を効率的、有機的に統合できるようなカリキュラム編成を行った。基礎科目や科目の学習内容を専門科目で生かすことは、看護の学問的特徴を浮き彫りするだけでなく、人間や看護的事象の理解にも欠かせない。教員は、科目の相互関連性を重視しながら、学生に意図的にかかわっている。

(2)看護学専門教育の内容が適切であるか

1)基礎科目;

 看護学科では、基礎科目を社会人として広い視野を持つ人材育成、および専門教育の準備として位置づけている。異文化への理解を促進しコミュニケーション能力を育成するために、5カ国にわたる語学科目を設け、さらに多様な看護ニーズに対応するための情報収集・分析する能力を育成するために「情報科学」「統計学」、また看護を通して自己表現できるよう「日本語表現学」を設けている。

 また、看護の対象である『人間』を理解するために、身体面から理解する科目(「人間生物学」「生命科学」「健康運動学」など)、心理面から理解する科目(「教育学」「心理学」など)、文化・社会面から理解する科目(「社会学」「女性学」「医療人類学」など)を設けている。人間を分析的に理解するだけではなく、統合的に理解ができるよう看護学概論(専門科目)と並行して授業が進むようにしている。看護者としての倫理性を育む基盤となる科目(「倫理学」「哲学」など)も設けている。

2)専門基礎科目;

 専門基礎科目は、基礎科目をさらに発展させ、専門科目(看護学)を支える科目として位置づけている。医療・保健・看護・福祉に関する制度に関する科目(「医療概論」「健康科学」「公衆衛生学」「保健政策論」「社会福祉学」「人間発達学」など)を設け、看護の専門職者として必要な基礎的知識のみならず、その態度を培うこともねらっている。

3)専門科目(看護学);

 専門科目における教育のねらい・目標は、看護学科の教育理念・教育目的・教育目標を具体化して表現したものである。看護の基礎を学ぶ基礎看護学では、看護の構成概念である『人間』『環境』『健康』『看護』の捉え方、基本的な援助方法を学ぶ。また精神看護学領域においては、ライフサイクルの特徴や心の捉え方、看護の方法を学ぶ。さらに様々な健康レベルに応じるために、看護の場で幅広く活躍する人材育成の科目、医療に関連する他分野との連携やリーダーシップ能力の育成の科目、国際的な看護の場で活躍できる基礎能力を培うための科目、また看護者としての看護倫理を育む科目を設置している。看護学実習においては、看護の対象や看護の場に対応できるような実習編成を組んでいる。