4.大学院医学系研究科(修士課程)の教育内容面での取り組み

看護学専攻(修士課程)における教育目的・目標を達成するため、以下の共通科目(内容)を設置した。

@看護教育学特論;看護教育の概念と目的を明らかにし、我が国及び諸外国の看護教育の歴史の比較を行う。

A看護学教育演習;カリキュラム作成の理論と方法、授業案作成と実施の理論と方法、さらに授業評価の理論と方法を学習する。

B看護管理論;保健・医療・看護・福祉における看護システム、看護の組織、看護管理者の責務と役割を、行政、施策、経済、管理など管理の基本となる諸理論を学習し、今後の看護管理の課題や展望を探究する。

C看護コンサルテーション論;看護職が医療チームの中で、職務を遂行する過程で直面する問題を解決していけるように、看護の立場から相談の理論と技術を使って支援する方法を学習する。実践現場で生じる問題を相談者(あるいは集団)自らが解決するためのデータ把握、分析するためのコミュニケーション技術と方法論。

D研究方法論;看護学における研究について事例研究、調査研究、質的研究、量的研究、実験研究についてそれぞれの研究の特性と研究方法について理解し、自らの研究に役立てるための学習を行う。

 看護職者としての専門性、看護の教育者・研究者・管理者として広い視野と見識を修得し、さらに専門性をもつために以下の領域で学ぶ。また専攻領域以外の科目についても最低1つの科目について学習する。

@基礎看護学;実践科学としての看護学・看護哲学及び科学史との関連、さらに人間科学としての看護学「生命」や「人間の尊厳」について考え、また看護学における倫理的諸問題の分析と問題解決の方法について学習し、また研究を行う。

A健康科学;看護実践に必要な知識である人体の構造と機能及び病態生理並びに人の生活習慣や人間関係が健康に及ぼす影響について学習し、さらに研究を行う。

B成人看護学;変革期にある21世紀の医療・看護において、成人看護の役割、方向性、ビジョンについて多方面から思考し、創造力を養う。

C母子看護学;母子看護に必要な解剖学、生理学、病理学及び生化学の基礎知識を修得し、妊産褥婦の心理社会的側面からの理解を深め、障害児を出産した母親・家族への援助のあり方について検討する。

D地域看護学;地域看護学の実践領域では、さまざまな健康レベルの人々を対象とし、広い視野をもった活動が求めれているが、地域看護学の基本的理論を検証しつつ、応用して実践的な知識と能力を養う。

E老年看護学;在宅あるいは施設における高齢者のさまざまな健康問題を解決するためには、老年看護学の理論と実践方法の構築が重要な課題である。研究的かつ専門的視点より老年看護の役割と機能を明らかにする。また、老年看護スペシャリストに関する活動方法や課題について学習する。さらにケーススタディを通して、老年看護における看護モデルの有用性と限界を検討する。