1.受入方針と施策

(1)受入方針

 1)医学・看護学を通して社会に貢献し、活躍しようとする確固たる意志と信念を持っているひ

  と。

 2)他者の喜び、苦しみを分かち合える思いやりを持ち,生命の尊厳性に根ざした医療の心を正し

  く体得しようとする志を持ったひと。

 3)日進月歩の医学、看護学及び医療に対応しうる知識と技術を修得するために、たゆまぬ努力

  と自己研鑽を重ねることができるひと。

 4)心身ともに健全で何ごとに対しても積極性と柔軟性をもって行動し、和と協調の精神で、多

  くの人々と交流できる社会性を備えたひと。

 5)医療や保健・福祉の問題を理解し、地域社会のみならず国際的に貢献でき、活躍が期待でき

  るひと。

(2)施策

 1)入学試験出題科目

 a.医学科

○現状の点検(現状並びに問題点とその検討状況)

 @前期日程の大学入試センター試験は、5教科7科目を課し、個別学力検査は数学、理科(物理、

 化学、生物の中から2科目選択)、英語を課した。

 A後期日程の大学入試センター試験は5教科7科目を課し、個別学力検査等では、「総合問題」と

 個人面接を課した。

○現状の評価(目的目標の達成度または長所と問題点)

 @平成13年度入学試験から個別学力検査は、教科・科目で出題した。志願者数は昨年度より180

 名ほど増えたが、出題科目の変更が影響しているかは今後の経過を見なければ判断できない。

 A総合問題に加え、新しく個人面接を導入した。志願者は昨年より80名ほど減少したが、面接の

 導入が志願者減に影響しているかは今後の経過を見なければ判断できない。

○将来の改善改革に向けた方策

 @とAに共通する事項。

 大学入試センター試験の理科については、現状では物理、化学,生物のうち受験できる科目は時

 間割編成上、3科目のうち2科目だけしか受験できないので、3科目とも受験できるような対応が

 望まれる。

 b.看護学科

○現状の点検(現状並びに問題点とその検討状況)

 @前期日程の大学入試センター試験は5教科5科目を課し、個別学力検査では、小論文を課した。

 A後期日程の大学入試センター試験は5教科5科目を課し、個別学力検査等では個人面接を課し

 た。

 B異なった能力を評価し、多様な学生の入学を図る目的で平成9年度から前期は小論文、後期は

 面接試験を課した。

○現状の評価(目的目標の達成度または長所と問題点)

 @試験科目内容は、前年度と変更はなかったが、志願者が2.1倍から1.6倍に減少した。

 A試験科目内容は、前年度と変更はなかったが、8.4倍から5.2倍に減少した。

 B@Aの現象は、近年の看護系大学の急増や、受験科目の少ない私立・公立の看護系大学へ受験

 生が流れる傾向にあることが因子として考えられる。

 ただし、受験率と入学生の質の関連については、入学後の成績や国家試験合格率などとの関係を

 調査しなければ判断できない。

○将来の改善改革に向けた方策

 @国立大学協会の提言(センター試験の原則5教科7科目)と近県等の大学の入試科目、さらに

 本校が望む能力を持つ人を獲得するための入試科目、など多方面から再検討していく必要がある。

2)学生定員確保

 a .医学科

○現状の点検(現状並びに問題点とその検討状況)

 @医学科を目指す受験生は、高等学校等新規卒業者、既卒者並びに就職している者など、受験者

 が多いこともあって学生定員の確保には、現状では事欠かない状況である。

○現状の評価(目的目標の達成度または長所と問題点)

 @新規卒業者の合格者はこのところ低迷しており、その数は40%前後である。

 他大学卒業の入学者も毎年10名程度入学している。他は、既卒者(予備校等)や他大学在籍者等

 で医学科への転学者等である。

○将来の改善改革に向けた方策

 @平成13年度入学試験から第2年次後学期学士編入学(定員10名)を行うこととなって、今後

 はこの制度を利用した学士の学位を持つ志願者が増えることが見込まれる。

 b.看護学科

○現状の点検(現状並びに問題点とその検討状況)

 @看護学科を目指す受験生は、新規卒業者が多く、既卒者は少なく、少子化による学生数の減や

 この10年間の看護系大学の急増もあって、受験生の確保は大変厳しい状況にある。

 A平成12年度からは3年次編入学の出願資格を広げるために、専修学校の卒業生の受験を可能

 とした。

 B本学への入学者が多い宮崎や福岡では、看護系大学が13年度から15年度にかけて設置され

 る予定である。(宮崎においては、宮崎医科大学と私立の2校。福岡においては、平成15年度に

 公立と九州大学の2校)

○現状の評価(目的目標の達成度または長所と問題点)

 @一般入学の受験生は今後も減少することが考えられる。

 A3年次編入学は、志願者が安定しており受験生の確保を見込むことができるものの、平成12年

 度に行った社会人特別選抜は、急に志願者が減少したが原因はつかめていない。

○将来の改善改革に向けた方策

 @社会人選抜の志願者の減少が一過性のものであるか、否かは今後の志願者の傾向を見なければ

 予測できないが、若干名という枠を見直して定員化していくことも視野に入れる必要がある。

 A3年次編入学は、この制度を活かし今後も積極的に受け入れていく。ただし、教員数や実習場

 の確保などをどのようにするか、さらに検討する必要がある。

 B看護系大学が近隣に新設される中、少子化及びセンター試験の原則5教科7科目を課されるこ

 ととなれば、益々受験生の確保は難しくなる。こういう状況の中、今後は、高校や受験生のニー

 ズに対応できるよう、学校訪問、インターネットや受験雑誌の活用、学校開放などの多様な広報

 活動を行っていく必要がある。

 C新しい入試制度としては、AO入試の導入などが考えられる。

3)推薦入学試験

a.医学科

〇現状の点検(現状並びに問題点とその状況)

 @医学科では、平成11年度に前期日程、後期日程及び推薦入学の募集人員の改善を行った際、推

 薦入学の募集人員を5名増やし、15名とし現在に至っているが、志願者は平均で53名(3.6倍強)

 となっている。

〇現状の評価(目的目標の達成度または長所と問題点)

 @推薦入学志願者は、募集人員を増やした平成11年度入試からの3年間の平均は約53名であり、

 成果を挙げている。

〇将来の改善改革に向けた方策

 @推薦入学者は、モチベーションも高く、進級率も良いのでさらに募集人員を増やすことも視野

 に入れて取り組む必要がある。

b.看護学科

〇現状の点検(現状並びに問題点とその状況)

 @看護学科では、平成12年度入試から初めて推薦入学を導入、将来看護職を目指す受験生の確保

 を一般入試に先駆けて実施した。募集人員5名に対して初年度が33名、2年目が29名と約6倍

 の出願となっている。

〇現状の評価(目的目標の達成度または長所と問題点)

 @平成12年度から導入した推薦入学は、まだ2回だけではあるが、いずれも6倍の志願者があり、

 今後も安定した受験生の確保が見込めるが、県内の応募者は半数に満たない。

〇将来の改善に向けた方策

 @優秀な学生を確保するという点から、推薦枠の拡大を行うことが必要である。現に県内高等学

 校を訪問して高校側の意見を聴取すると、「学校からの推薦枠が2名とはなっているものの、募集

 人員が少ないことから学校側として推薦するのは躊躇する。」とのことで募集人員の増員を考慮す

 る時期にきている。

医学科学生定員

      区  分

 年  度

入 学 定 員

      内                           訳

第2年次後学期学士編入学定員

前 期 日 程

後 期 日 程

推 薦 入 学

平成 9年度

    95

     45

     40

     10

 

   10

    95

     45

     40

     10

 

   11

    95

     30

     50

     15

 

   12

  *85

     30

     40

     15

 

   13

    85

     40

     30

     15

     10

     入学定員95人を10人削減し、第2年次後学期学士編入学定員10人(平成13年10月受

 入)を新たに設けた。

看護学科入学定員

     区  分

 年  度

入 学 定 員

        内                              訳

3年次編入学定員

前 期 日 程

後 期 日 程

推 薦 入 学

社会人特別選抜

平成 9年度

   60

    40

    20

 

若 干 名

   10

   10

   60

    40

    20

 

若 干 名

   10

   11

   60

    40

    20

 

若 干 名

   10

   12

   60

    40

    15

    

若 干 名

   10

   13

   60

    40

    15

    

若 干 名

   10

(注)社会人特別選抜の「若干名」とあるのは、後期日程の定員の中に含む。

医学科推薦入学状況

     区   分

  

入学定員

志願者数

受験者数

合格者数

入学者数

平成  9年度

    10

     39

     39

     10

    10

    10

    10

     64

     64

     10

    10

    11

    15

     54

     53

     15

    15

    12

    15

     49

     49

     15

    15

    13

    15

     54

     54

     15

    15

看護学科推薦入学状況

     区    分

  

入学定員

志願者数

受験者数

合格者数

入学者数

平成 12年度

     

    33

     33

     

     

     13

     

    29

     29

     

     

2.県内出身者の入学

医学科並びに看護学科の最近5年間の大分県内出身者入学状況を見ると、いずれの学科も平成11年度入学試験時が最も多く、その後は幾分下降気味になっている。ただ、医学科については、平成12年度入学試験時から学生定員を10名減らし85名としたが、平成13年度から新たに学士編入学(定員10名)を行ったので必ずしも大幅な減というわけではない。

ところで、医学科の推薦入学については、平成11年度から入学定員を5名増やし15名としたので、県内からの入学者は若干増えてきた。

また、看護学科については、過去4年間だけを見れば、一般選抜では25名から35名の者が入学しているが平成13年度入学、即ち今回の入学者選抜だけを捉えるならば、志願者、入学者ともに大幅に減っている。

したがって、大分県内出身者の増を諮るのであれば、積極的に県内の高等学校訪問を行うと同時に大学進学説明会への参加を呼びかけるなど、広報活動を盛んにする必要がある。

医学科

   項 目

平成

 年度

  内  出  身  者  の  志  願  者

  内  出  身  者  の  入  学  者

   

   

   

   

   

   

 

   

   

   

   

   

   

  

   

   66

  67

   

  142

  10

   

   

  19

  10

   73

  45

  16

  134

  16

   

   

  26

  11

   39

  43

  17

    99

   

  10

   

  28

  12

   51

  54

  22

  127

   

   

   

  21

  13

   65

  58

  22

  145

   

   

  11

  19

看護学科

  

平成

 年度

                 

                 

   

   

   

   

   

   

  

   

   

   

   

    

   

  

   

  38

  53

 

  91

  19

  12

 

  31

  10

  50

  44

 

  94

  15

  11

 

  26

  11

  43

  44

 

  87

  25

12

 

  37

  12

  34

  42

  10

  92

  24

   

  

  34

  13

  25

  41

  14

  80

  17

   

  

  27

*看護学科の推薦入試は、平成12年度入試より導入。

U 入学試験